開発者のインフラ管理は、オールオアナッシングの命題ではない。本稿では、開発者によるクラウドのセルフサービス利用に関するポイントを紹介しよう。
ガートナーの米国本社発のオフィシャルサイト「Smarter with Gartner」と、ガートナー アナリストらのブログサイト「Gartner Blog Network」から、@IT編集部が独自の視点で“読むべき記事”をピックアップして翻訳。グローバルのITトレンドを先取りし「今、何が起きているのか、起きようとしているのか」を展望する。
私は主に、パブリッククラウドのガバナンスとクラウド運用の観点から、開発者のセルフサービスについて、かなりの時間をかけて顧客と話している。
インフラとオペレーション(I&O)の担当幹部の中には、まだ「開発者のセルフサービス」という考え方に、反射的に拒否反応を示す人が多い。まるで、セルフサービスを導入すると以下のようになると思い込んでいるかのようだ。
「きちんと管理されたインフラが集積し、整理整頓が行き届いた聖域を、堅固に守ってきた門が開いてしまう。すると、汚いオーク(トールキンの「指輪物語」などの作品に登場する、醜く野蛮な亜人種)の大群が押し寄せ、コンクリート空間で暴れ回る。レゴブロックやプリントアウトした紙、スニッカーズの包み紙、ホワイトボードマーカーのキャップなどが文字通り散乱し、元のきれいで整然とした場所にはもう戻らない」
だが、そんなはずはない。
セルフサービス――より広く言えば、開発者によるインフラ管理は、オールオアナッシングの命題ではない。アプリケーションのライフサイクル全体で、I&O担当者と開発者で責任を分担できるので「構築した人が運用する」ベネフィットが得られる。「開発者を右も左も分からない未開の荒野に送り出し、生き残れるように幸運を祈る」といったことでは決してない。「セルフサービスとは、I&Oチームが関与しないことだ」という認識ならそうなるが、この認識は間違っているからだ。
そこでわれわれは、次のような問いを立てて、セルフサービスについて掘り下げている。
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