【 Get-NetAdapter 】コマンドレット――コンピュータのネットワークアダプターを取得するWindows PowerShell基本Tips(33)

本連載は、PowerShellコマンドレットについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は「Get-NetAdapter」コマンドレットを解説します。

» 2022年06月16日 05時00分 公開
[後藤諭史@IT]

この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。

「Windows PowerShell基本Tips」のインデックス

連載目次

 本連載では、Windows PowerShellの基本的なコマンドレットについて、基本的な書式からオプション、具体的な実行例までを分かりやすく紹介していきます。今回は、コンピュータに接続されたネットワークアダプターを取得する「Get-NetAdapter」コマンドレットです。

Get-NetAdapterコマンドレットとは?

 ネットワークアダプターの情報を参照する手段として、最初に思い付くのはGUIの管理画面などからの参照でしょう。

 「Windows 10」や「Windows 11」では「設定」→「ネットワークとインターネット」から参照可能ですが、Get-NetAdapterコマンドレットを用いることで、同じ情報を取得することができます。また、IPアドレスなどをPowerShellコマンドレットでの設定する場合、設定するネットワークアダプターを特定する必要がありますが、その作業をGet-NetAdapterコマンドレットで実施するため、ネットワーク設定の起点となる非常に重要なコマンドレットになります。

Get-NetAdapterコマンドレットの書式

Get-NetAdapter [オプション]


Get-NetAdapterの主なオプション

オプション 意味
-Name 指定したネットワークアダプター名を持つネットワークアダプターを取得する。省略可能
-InterfaceDescription ネットワークアダプターの詳細の全部もしくは一部を指定して一致したネットワークアダプターを取得する。省略可能
-InterfaceIndex 指定したネットワークアダプター番号のネットワークアダプターを取得する。省略可能
-IncludeHidden 非表示のネットワークアダプターも併せて取得する。省略可能
-Physical 物理ネットワークアダプターのみを取得する。省略可能


コンピュータに接続されているネットワークアダプターを取得する

 オプションを指定せずにGet-NetAdapterコマンドレットを実行すると、コンピュータに接続されたネットワークアダプターが表示されます。

コマンドレット実行例

Get-NetAdapter

 「-IncludeHidden」オプションを付与してGet-NetAdapterコマンドレットを実行すると、通常は表示されないVPN(仮想プライベートネットワーク)用WANミニポートのネットワークアダプターも表示されます(画面1)。

コマンドレット実行例

Get-NetAdapter -IncludeHidden

画面1 画面1 Get-NetAdapterコマンドレットをそのまま実行した場合と、「-IncludeHidden」オプションを付与して実行した場合の結果


Format-Listコマンドレットを使用して詳細情報を取得する

 「Format-List」コマンドレットを併用すると、ネットワークアダプターの詳細情報を取得できます。併用する場合は、下記のコマンドレット実行例のように、パイプ(|)でつないで実行します。また、Format-Listコマンドレットに対してオプションを付与しないと、代表的なプロパティが取得できます(画面2)。なお、Format-Listは「FL」と省略可能です。

コマンドレット実行例

Get-NetAdapter | Format-List

画面2 画面2 Format-Listコマンドレットをパイプ(|)でつないで併用することで、ネットワークアダプターの詳細情報を取得できる

 Get-NetAdapterコマンドレットは103個のプロパティ、11個のスクリプトプロパティ、7個のエイリアスプロパティ、7個のメソッドを持ちますが、Format-Listコマンドレットに「*」オプションを付与して実行すると、取得可能なプロパティの全てを取得できます。

 取得可能なプロパティの詳細は「Get-NetAdapter | Get-Member」コマンドレットで参照してください。



ネットワークアダプター名を指定して特定のネットワークアダプターを取得する

 コンピュータに接続されているネットワークアダプターの一覧ではなく、特定のネットワークアダプターのみを取得したい場合は、「-Name」オプションを利用してネットワークアダプター名を指定します(画面3)。

コマンドレット実行例

Get-NetAdapter -Name <ネットワークアダプター名>

画面3 画面3 Get-NetAdapterコマンドレットで「-Name」オプションを指定してネットワークアダプターを取得した


MACアドレスを指定して特定のネットワークアダプターを取得する

 MACアドレス(Media Access Control address)は、ネットワークアダプターにあらかじめ付与されているアドレスであり、物理ネットワークアダプターであれば原則的には世界で一意のものとなります。

 無線LANカードやイーサネットカードなど、ノートPCでは複数のネットワークアダプターが接続されていることは珍しくありません。

 この一意のアドレスを利用して特定のネットワークアダプターだけを取得するには、残念ながらオプションを使用することができないため「Where-Object」コマンドレットを併用します。

 Get-NetAdapterコマンドレットには「MacAddress」プロパティが存在し、そのNIC(ネットワークインタフェースカード)のMACアドレスが設定されているので、Where-Objectコマンドレットで表示したいMACアドレスを演算子(eq)で指定して抽出します(画面4)。

コマンドレット実行例

Get-NetAdapter | Where-Object MacAddress -eq <Macアドレス>

画面4 画面4 Where-Objectコマンドレットを併用して、特定のMACアドレスを持つネットワークアダプターを抽出した結果

 なお、前述の通り「-Name」オプションを利用しても特定ネットワークアダプターの取得は可能ですが、ネットワークアダプター名は任意で変更可能なため、変更が困難なMACアドレスの方が検索キーとしては向いているといえます。

筆者紹介

後藤 諭史(ごとう さとし)

Microsoft MVP for Cloud and Datacenter Management(2012-2022)。現業の傍ら、コミュニティーイベントでの登壇や著作にてMicrosoftテクノロジーに関する技術情報の発信、共有を続けている。ネットワークやハードウェアといった物理層に近いところが大好きな、昔ながらのインフラ屋さん。得意技はケーブル整線。近著は『詳解! Windows Server仮想ネットワーク』(日経BP社)。


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

スポンサーからのお知らせPR

注目のテーマ

Microsoft & Windows最前線2025
AI for エンジニアリング
ローコード/ノーコード セントラル by @IT - ITエンジニアがビジネスの中心で活躍する組織へ
Cloud Native Central by @IT - スケーラブルな能力を組織に
システム開発ノウハウ 【発注ナビ】PR
あなたにおすすめの記事PR

RSSについて

アイティメディアIDについて

メールマガジン登録

@ITのメールマガジンは、 もちろん、すべて無料です。ぜひメールマガジンをご購読ください。