データ基盤のクラウド移行後半年で社内利用が16倍に――NTTドコモが挑んだモダナイゼーションと意識改革「クラウドシフトにより確かに競争力を得られる」

NTTドコモが持つ大量のデータをいかにしてオンプレミス環境からクラウド移行したのか。「AWS Summit Online 2022」で行われた講演「NTTドコモが挑んだデータ基盤のモダナイゼーション 〜システムが足枷にならない意識改革と基盤〜」の様子をお届けする。

» 2022年06月30日 05時00分 公開
[松林沙来@IT]

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 昨今DX(デジタルトランスフォーメーション)やAI開発など、さまざまな場面で自社の持つデータを利活用する動きが活発だ。従来使っていたオンプレミス環境の基盤にためたデータを利活用することも可能だが、柔軟性の高いクラウド基盤にデータを移してデータ活用を実施する流れは近年加速している。

 NTTドコモでは、オンプレミス環境にあったデータ基盤をクラウド移行し、全社でデータ利活用の取り組みが活性化したという。どのように変革を進めたのか、2022年5月25〜26日に開催された「AWS Summit Online 2022」のセッション「NTTドコモが挑んだデータ基盤のモダナイゼーション 〜システムが足枷(あしかせ)にならない意識改革と基盤〜」にNTTドコモの日影浩隆氏(情報システム部 データ基盤担当 担当部長)が登壇し、データ基盤のモダナイゼーションについて語った。

データ基盤が抱えていた課題

NTTドコモの日影浩隆氏

 NTTドコモといえば日本国内の主要な携帯電話通信業者のうちの1社だ。携帯電話契約数は8385万件、dポイントクラブ会員数は8721万人と、扱うデータ規模の大きさは一目瞭然だ。

 そんなNTTドコモでは、データは従来のオンプレミス環境で管理され「データの増加に対応できない」「最新ツールが使えない」「データ項目集が古い、不十分」「障害のリカバリーに長時間かかる」といった課題を抱えていた。最も課題に感じていたのは、データの蓄積、加工、可視化機能や開発ツール、リソースなどが一体化されて互いに影響し合っていたことだという。「これらの課題を乗り越えるべく、他部署からの要望もありデータ基盤のクラウドシフトを決めた」(日影氏)

 クラウド基盤への移行を進めるに当たり、日影氏は「利益に貢献できるシステムであること」「セキュリティなど、データを扱う責務を全うするシステムであること」の主に2つを重視したという。

データ基盤のクラウド移行、何をしたか

 ではどのようにしてデータ基盤のクラウド移行を進めたのか。まず日影氏は既に実施した3つの施策を紹介した。

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