Microsoftは2022年7月20日、Azure仮想マシンの新しい「DCasv5」および「ECasv5」シリーズと、これらのシリーズで選択可能な「Azure Confidential VM」の一般提供を開始しました。コンフィデンシャルVMは、セキュリティと機密性の要件が特に高い顧客向けのIaaSであり、Microsoft Azureのプラットフォームやクラウドオペレーターからも強力に保護されます。
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Microsoft Azure仮想マシンの新しいシリーズ、汎用(はんよう)向け「DCasv5」およびメモリ最適化コンピューティング向け「ECasv5」は、Azureコンフィデンシャルコンピューティングの新サービス「Azure Confidential VM(コンフィデンシャルVM、機密の仮想マシン)」(以下、コンフィデンシャルVM)に対応したもので、セキュリティと機密性の特に高い仮想マシンのデプロイと実行を可能にします。
コンフィデンシャルVMは、第3世代のAMDプロセッサが備える「AMD Secure Encrypted Virtualization-Secure Nested Paging(SEV-SNP)」テクノロジーを活用して、ハードウェアベースの強力なセキュリティ境界を提供します。仮想マシンのゲストOS側はWindowsおよびLinux標準のセキュリティ機能と連携するため、OSやアプリケーションのコードを変更することなく、高いセキュリティで保護されたコンピューティング環境を導入できます。
コンフィデンシャルVMでは、以下のセキュリティ機能が有効または利用可能です(画面1)。
機密性の要件により、オンプレミスからクラウドへの移行を懸念している場合、コンフィデンシャルVMを利用することで、その懸念を解消することができます。なぜなら、コンフィデンシャルVMは、Azureのインフラストラクチャ(物理サーバやストレージなど)やクラウドオペレーター、ホスト側の管理用コードからも強力に保護されるからです。
コンフィデンシャルVMは、通常のAzure仮想マシンとほとんど同じ方法でデプロイできます。通常のAzure仮想マシンとの違いは、以下の通りです。
なお、ホストでの暗号化を有効にするには、使用中のAzureサブスクリプションで「EncryptionAtHost」プロバイダーを有効にする必要もあります(画面2)。
岩手県花巻市在住。Microsoft MVP 2009 to 2022(Cloud and Datacenter Management)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。Microsoft製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。近著は『Windows版Docker&Windowsコンテナーテクノロジ入門』(日経BP社)、『ITプロフェッショナル向けWindowsトラブル解決 コマンド&テクニック集』(日経BP社)。
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