Microsoft AzureがDALL・E 2サービスを開始、AIで文書/コンテンツを処理する「Microsoft Syntex」とはMicrosoft Ignite 2022

米Microsoftは、画像生成AI「DALL・E 2」のサービス提供開始を発表した。Microsoft Teamsなどの既存製品にもAI活用の新機能を組み込んだ。AIで文書/コンテンツを処理する「Microsoft Syntex」も発表した。

» 2022年10月13日 09時18分 公開
[三木泉@IT]

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 米Microsoftは2022年10月12日(米国時間)、年次イベント「Microsoft Ignite」で、「DALL・E 2」など、多様なAI活用サービスを発表した。「Microsoft Teams」などのエンドユーザー向けツールへのAIの組み込みも目立つ。さらに、AIを活用したコンテンツの管理/処理サービスを発表した。

 まずMicrosoftは、OpenAIが開発した画像生成AI「DALL・E 2」を、Azure上のサービスとして提供開始すると発表した。これはテキスト(や画像)を入力することで、自動的に画像を生成するモデル。OpenAIとの提携に基づく「Azure OpenAI Service」(大規模自然言語モデルGPT-3も含まれる)のメニューに加わる。 Azure OpenAI Serviceは現在のところ限定プレビュー段階。

 Microsoftは、先行ユーザー事例として、玩具メーカーMattelのデザイナーが、 新たなミニカー商品のインスピレーションを得るのにAzureのDALL・E 2サービスを使ったことを挙げている。

MattelのデザイナーがDALL・E 2サービスで生成したデザイン例

 また、Azureでは「Azure Cognitive Service」も強化した。

 テキスト理解・分析の「Azure Cognitive Service for Language」では、要約機能を強化。 ミーティング内容をインデックス付きで要約できるようになった。また、90以上の言語に対応した。テキスト・音声変換の「Azure Cognitive Service for Speech」では、テキスト読み上げに感情を組み込めるようになった。

DALL・E 2を組み込んだデザインソフト発表、Teamsでは「仮想アシスタント」的機能

 MicrosoftはこうしたAI機能を、Teamsなどのエンドユーザー向けツールに組み込んで強化している。

 まずMicrosoftは、Canva対抗ともいえる新たなグラフィックデザインツール、「Microsoft Designer」を発表した。これは印刷物やSNS投稿のためのデザインが作れるもの。DALL・E 2を組み込んでおり、テキストを入力することで画像を自動的に生成できる。

 Microsoft Designerは現在限定プレビュー段階。将来は無料のスタンドアロン版と、「Microsoft 365」に含まれる高機能版が計画されている。

 Teamsでは料金体系を変更し「Teams Premium」を新たに作った。このエディションに、AIを使った複数の機能を追加した。例えばTeamsミーティングの録音が、トピックによる自動インデックスによって効率的に再生できる。書き起こしもトピックに分割して表示される。ミーティングでユーザーの名前が呼ばれた時、画面共有が始まった時などをインデックス化して示すことも可能。また、タスクを自動的にアサインする機能もある。「全てのミーティングに、仮想アシスタントを出席させているようなものだ」という。

 Teams Premiumには、約40の言語に対応したライブ自動翻訳機能も備わっている。

AIを組み込んだ文書管理/処理の「Microsoft Syntex」とは?

 新発表の「Microsoft Syntex」は、ドキュメント/コンテンツの管理・処理サービス。バックアップやストレージの自動階層化

新ツールではドキュメントの構造を検知し、自動的に分類・タグ付けする。オンデマンド、あるいはルールに基づき自動で要約する機能も備える。自動翻訳も適用できる。

 管理するドキュメントでは、アプリケーションにかかわらず印やコメントなどのアノテーションを入れられる。

 音声・ビデオについてはテキスト化をした上で分類やタグ付けが可能。静止画にはAIおよびOCR機能を適用できる、テンプレートやメタデータをベースに、ドキュメントを自動作成する機能も備わっている。

 Microsoft Syntexでは、例えば電子署名の自動化ができる。2023年には多様なツールとの組み合わせによる自動処理を推進するという。

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