エンジニアの現場から長く離れたいま、悩んでいること仕事が「つまんない」ままでいいの?(95)(2/3 ページ)

» 2022年11月16日 05時00分 公開

連載を続ける上での課題感

 一方、連載を続けるにつれて、課題感を持つようになりました。課題は大きく分けると2つあります。

 1つは、「エンジニアの現場から離れた期間が長いこと」です。

 ボクが自動車のエンジニアになったのは18歳のときです。日産自動車でアンチロックブレーキシステム(ABS)の開発実験を行ってきました。その後、28歳のときにIT業界に転職。プログラマーになりました。

 33歳のときに管理職にならなければならなくなり、プレイングマネジャーになりました。当初、管理職はやりたくない仕事でしたが、試行錯誤を重ねるにつれて、組織作りや人の成長を支援する仕事に面白さを感じるようになりました。その結果、36歳のときに起業し、組織づくりやコミュニケーションに関する研修や講演をする人材育成の仕事にキャリアを変えたのです。

 現在の年齢は51歳。エンジニアの現場を離れてから15年になります。幸いなことにもともと技術的なことが好きなので、いまもITに関することは大好きですし、ガジェットをあさったり、たまにサーバをいじったりなどしています。

 また現在、サイボウズというIT企業で複業をしています。仕事はマーケティングですが、業界的にはITです。フルリモートの2拠点ワークなので、グループウェアやノーコードツールなどのITを使いこなしながら仕事をしています。そのため「IT業界で仕事をする」という意味での現場感は、いまもある方かなと思います。

 ですが、「エンジニア」という意味では現場を離れてから随分たっており、バリバリの現役ではありません。連載を続けるにつれて、年齢を重ねるにつれて「現役ではないボクが、エンジニアの皆さんに語っていいのだろうか?」と思うようになってきました。

毎年開いていく「年齢のギャップ」

 もう1つの課題感は、毎年開いていく「年齢のギャップ」です。

 ボクは、記事1本1本に対して、ペルソナ(想定する読者像)を設定します。例えば「読者は30歳のエンジニア。ある程度経験を重ねて、これからのキャリアに悩み始めている」のように。

 読者を具体的にイメージし、困りごとや悩みを想像する。だから、読者に寄り添える。そうして、読者が抱えているであろう課題に対する、解決への糸口を提示したい……そう願って、これまで原稿を書いてきました。

 だけど、年齢を重ねれば重ねるほど、「いま、現場で活躍している人」とは、毎年1歳ずつ年齢が離れていきます。そのため「このテーマは、エンジニアで悩んでいる人たちがいま抱えている課題なのだろうか?」「寄り添えているのだろうか?」「役に立てているのだろうか?」と感じながら書くことが、最近増えてきたのです。

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