IDCによると、ローコード、ノーコード、インテリジェント開発技術(LCNCIDT)の世界売上高は2026年には210億ドルに伸び、2021〜2026年の年平均成長率(CAGR)は17.8%になる見通しだ。
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調査会社のIDCは2023年1月17日(米国時間)、開発者からの強い需要に支えられ、ローコード、ノーコード、インテリジェント開発技術(LCNCIDT)の世界売上高が2026年には210億ドルに伸び、2021〜2026年の5年間の年平均成長率(CAGR)が17.8%になるとの見通しを発表した。
企業は、開発者の生産性を高めるためにLCNCIDT技術を導入していると、IDCは説明している。LCNCIDTは、プロの開発者が開発プロセスのさまざまな側面を合理化または排除し、より迅速に作業できるようにすることで、あるいは技術者以外の開発者がプロの開発者の助けを借りずにデジタルソリューションを作成または更新するためのツールを提供することで、開発者の生産性を向上させる。
IDCのローコード、ノーコード、インテリジェント開発技術担当のリサーチマネジャーを務めるマイケル・ローゼン氏は、こう指摘する。
「LCNCIDTの市場は、フルタイム開発者の世界的な不足を背景に拡大している。この状況は2020年代を通じて続き、開発者の生産性向上や、開発者の潜在的なプールの拡大を実現する技術の強力な市場を生み出すだろう」
IDCによると、LCNCIDTが成長する一因は、企業がデジタルファーストの世界に軸足を置き、クラウドネイティブ技術を採用していることにある。クラウドネイティブソフトウェア開発の利点には、アジリティ(俊敏性)の向上、ホスティングコストの削減、市場投入期間の短縮、ユーザーエクスペリエンスの向上などが挙げられる。
ただし、このアプローチには、コスト管理と運用管理のリスクも伴う。クラウドネイティブ設計ツール、IDE(統合開発環境)、DevOpsツールなど、クラウドネイティブソフトウェア開発への移行と管理を可能にするLCNCIDTツールを提供するベンダーは、複雑だが必要なこの移行において、企業を支援する機会を得ていると、IDCは説明する。
ローコードおよびノーコードツールが提供する機能の多くは、クラウドベースの開発から恩恵を受け、多くのインテリジェント開発技術は、クラウドベースのサービスに依存している。そのため、過去数年間におけるLCNCIDTの売上高の多くは、クラウドベースのデプロイ(展開)から得られている。IDCは、この傾向が継続し、2026年までにLCNCIDTの売上高の75%以上が、クラウドベースのデプロイで生み出されると予想している。
IDCはローコード、ノーコード、LCNCIDTのそれぞれを次のように説明している。
視覚的にガイドする開発ツール、ドラッグ&ドロップ型の開発インタフェース、構築済みのコードコンポーネントおよびテンプレート、プロセスやデータのモデリングおよび統合ツールを提供し、カスタムデジタルソリューションの設計と開発を加速、簡素化する。アプリケーション開発プラットフォーム、Web開発プラットフォーム、UI/UX(ユーザーインタフェース/ユーザーエクスペリエンス)コンポーネント、データベース中心のローコードアプリケーション開発プラットフォームなどがある。
技術的バックグラウンドを持たない開発者がソフトウェア(アプリ、Webサイトなど)を作成できるように、視覚的にガイドする技術、モデル駆動型技術、AI駆動型技術を提供する。開発者はコマンドラインコードに触れることがない。アプリケーション開発プラットフォーム、Web開発プラットフォーム、UI/UXデザインツールなどがある。
AIと機械学習を活用し、ソフトウェアの開発やAIベースのデジタルソリューションの開発を加速させる。コード自動補完ツール、AI開発技術、会話型AI開発ツールおよびプラットフォーム、テスト自動化ツールなどがある。
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