Pythonを超える人気上昇率、C++躍進はどこまで続く? 2023年2月TIOBEインデックス首位「Python」と2位「C」は3カ月連続でわずかな差

TIOBE Softwareはプログラミング言語の人気ランキング「TIOBEインデックス」の2023年2月版を発表した。「Python」が首位を維持し、2〜5位の「C」「C++」「Java」「C#」という4言語のレーティングが前年同月比で大きく上昇したが、中でもC++の勢いが突出していた。

» 2023年02月24日 08時00分 公開
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 ソフトウェア品質の評価と追跡を手掛けるTIOBE Softwareは、2023年2月版の「TIOBEプログラミングコミュニティーインデックス」(通称「TIOBEインデックス」)を発表した。

 TIOBEインデックスはプログラミング言語の人気度を示すランキングで、同社が毎月更新している。2023年2月のランキングでは「Python」が15.49%のレーティングを獲得し、首位を維持した。2〜5位は「C」(15.39%)、「C++」(13.94%)、「Java」(13.21%)、「C#」(6.38%)となった。

 Pythonのレーティングは2022年11月に過去最高の17.18%に達したが、12月から2023年2月まで3カ月連続で下落した。この3カ月の間、2位のCとの差はわずか0.1ポイントで推移している。

C++が勢いを持続

 また、C++は、2022年12月にJavaを抜いて3位となって以降、2023年2月まで3カ月連続で3位の座を維持した。4位のJavaとの差を少しずつ広げるとともに、2位のCとの差を縮めつつある。

 C++は、2022年に最も人気を伸ばした(2023年1月のレーティングが、前年同月比で4.62ポイント増と最も伸びた)ことから、TIOBEの「2022年のプログラミング言語」となったが、2023年2月も突出した勢いを見せた。

 2023年2月のレーティングが前年同月比で上昇した言語は、上位20言語のうち10言語だったが、このうちC++は5.93ポイント増とダントツの伸びを示した。上昇幅が1ポイントを超えた言語は、他にはC、Java、C#のみで、これらは1.01〜1.31ポイント増にとどまった。

TIOBEインデックス(2023年2月版)の1〜20位(提供:TIOBE Software)
TIOBEインデックス1〜10位の推移(提供:TIOBE Software)
TIOBEインデックス(2023年2月版)の21〜50位(提供:TIOBE Software)

 51〜100位のプログラミング言語については、順位の差が比較的小さいとして、次のようにアルファベット順に列挙している。

 「ActionScript」「Apex」「AutoHotkey」「B4X」「bc」「BlitzMax」「Bourne shell」「C shell」「Chapel」「Clojure」「Common Lisp」「Crystal」「Eiffel」「Elixir」「Erlang」「Forth」「GAMS」「Hack」「IDL」「Inform」「Io」「Ioke」「J#」「JScript」「Korn shell」「LabVIEW」「Ladder Logic」「Limbo」「LPC」「MQL5」「NATURAL」「OCaml」「OpenCL」「OpenEdge ABL」「PL/I」「Processing」「Programming Without Coding Technology」「Q」「Raku」「REXX」「S」「Smalltalk」「Solidity」「SPARK」「Stata」「VBScript」「VHDL」「X++」「XC」「Zig」。

主要言語の人気度、長期的な盛衰は?

 TIOBE SoftwareはTIOBEインデックスの過去12カ月の平均順位における上位10言語の他、知名度の高い5言語は5年ごとの順位もまとめている。過去20〜25年でPython、Java、C#、「JavaScript」が大きく順位を上げている。CとC++も根強い人気を保っていることが分かる。

15言語の5年ごとのTIOBEインデックス順位(提供:TIOBE Software)
「今年のプログラミング言語」の変遷(提供:TIOBE Software)

TIOBEインデックスは言語の優劣を示すものではない

 TIOBEインデックスのレーティングは、世界の熟練エンジニア、学習講座、サードパーティーベンダーの数に基づいて算出されている。レーティングの計算には、GoogleやBing、Yahoo!など広く普及した検索エンジンが使われている。

 TIOBE Softwareは、「TIOBEインデックスは『どのプログラミング言語が優れているのか』『どの言語で書かれたコードの行数が多いのか』を示すものではない」と説明している。

 同社はTIOBEインデックスの使い方として、「自分のプログラミングスキルが時流に合っているかどうかをチェックする」「新しいソフトウェアシステムを作り始めるに当たって、どのプログラミング言語を採用するかという戦略的判断に役立てる」といった例を挙げている。

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