Mozillaは2023年3月22日(米国時間)、AI(人工知能)に特化したスタートアップ「Mozilla.ai」の設立を発表した。直近では「安全性と透明性の高いジェネレーティブAI」と「誤った情報を与えないレコメンドシステム」の開発を進めるという。
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Mozillaは2023年3月22日(米国時間)、AI(人工知能)に特化したスタートアップ「Mozilla.ai」の設立を発表した。
AIの開発と使用における「透明性」「公正性」「プライバシー」「セキュリティ」の確保に重点を置いており、「AIの潜在的な問題に対処するための最新の技術を継続的に研究し、AIの信頼性を向上させる」としている。
Mozillaは「『Stable Diffusion』や『GPT-4』のような新しいツールは、インターネットだけでなく、コミュニケーションや創造性、社会全体についての考え方も変えている。レコメンド機能などで利用される比較的古いAIツールも進化を続けており、何十億もの生活に影響を与えている。一方、このようなAIの新しい波は、興奮を呼び起こすと同時に、大きな不安も生み出している」と指摘。
こうしたAIに関する不安を払拭(ふっしょく)するためには、AI開発において、人間の主体性とユーザーの利益を中心に置き、透明性と説明責任を優先することだとMozillaは考えている。
「われわれは、こうしたアプローチをとっている何千人もの創業者、エンジニア、科学者、デザイナー、アーティスト、活動家たちに会ってきた。賢く、献身的な人々は、オープンソースのAI技術を構築し、監査への新しいアプローチを試し、実世界でAIに『信頼』を築く方法を見つけ出している。権力と影響力を持つ大手企業では、こうした動きが見られない。もちろん、一部の人々は変化を始めているが、最も重要な仕事(そして投資)は、従来と同じ方法で行われている。私たちはこの状況を変えたい」(Mozilla)
Mozilla.aiの目標は“信頼できるAI製品を簡単に開発できるようにすること”だ。直近の取り組みとしては「ジェネレーティブAIをより安全で透明性の高いものにするためのツール」と、誤った情報を与えない「人間中心のレコメンドシステム」の開発を進めるという。また、Mozilla.aiを「志を同じくする創業者、開発者、科学者、プロダクトマネジャー、ビルダーが集うスペースにしたい」としている。
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