スタートアップ企業が公共調達に食い込むにはさまざまな課題がある。関係者が集ったパネルディスカッションでは、パネリストがこうした課題を経験に基づいて赤裸々に語り、改善策を探った。
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本連載では、AWSジャパンが開催した、「AWS Startup Ramp Meetup vol.2」(2022年11月開催)における、公共分野で活躍するスタートアップや自治体が登壇するパネルディスカッションの内容を前編・後編に分けてお届けしている。
今回は後編として、「公共調達にスタートアップが参入しやすくするには?」というテーマのパネルディスカッションをレポートする。モデレーターは、AWSジャパンのパブリックセクター、キャプチャーマネージャーを務める岡野聡子氏。パネリストは、自動処理 代表取締役の高木祐介氏、デジタル庁 企画官の吉田泰己氏、Code for JapanのMoCプロジェクトマネージャの酒井一樹氏、Chaintope代表取締役CEOの正田英樹氏の4名だ。
モデレーターの岡野氏によると、開始前の控室で既にパネリストたちが今回のテーマで大いに盛り上がり、話が尽きない様子だったとのこと。全員がこれまでの経験で多くの課題に直面し、何とか解決できないかと日々模索していただけに、示唆に富んだパネルとなった。
最初は各パネリストが自己紹介を兼ねて、これまで関わってきた公共調達について話した。
Chaintopeの正田氏は、2016年にブロックチェーンソリューションを提供するChaintopeを創業。2019年から福岡県飯塚市行政アドバイザーとして地方創生に取り組んでいる。現在注力するのが、ブロックチェーンストリート構想だ。ブロックチェーン技術者の人材育成や交流の場として古民家をシェアハウスやコワーキングスペースなどに整備し、ブロックチェーンの聖地を目指す。この他、福岡県産品の輸出におけるトレーサビリティをブロックチェーンで管理するプロジェクトや、佐賀市と九州工業大学との共同プロジェクトなどにも従事。後者では、道の駅や電気自動車、庁舎、住宅などの電力需給データをブロックチェーンに記録し、再生エネルギー資源の循環状況をリアルタイムに可視化。二酸化炭素削減などの環境価値を地域通貨に変換し、環境と経済の好循環を実現したいという。
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