メディアで触れられることも増えてきた「Web3.0」。ただ、エンジニア目線で見ると「どんな技術を使っているのか」「ブロックチェーンにはどのようにアクセスしているのか」など意外と分からないことが多い。そこで、Web3.0エンジニアに「実際のところ」を聞いてみた。
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2023年5月15日、ギークス主催の「TechValley」(テックバレー)セミナー「今聞いておきたい! エンジニアのためのWeb3.0」が開催された。各方面で注目を集めているWeb3.0だが、ブロックチェーンや暗号資産など、一般的なWebアプリケーションにはなかった技術要素を扱うこともあり、「チャレンジしてみたいけどハードルが高いのでは?」と尻込みするエンジニアもいるだろう。
そうしたエンジニアに向けて、現在Web3.0業界で活躍している識者を招いて、エンジニア向けにWeb3.0の基礎や開発の実態、キャリアチェンジなどについて講演やトークディスカッションが行われた。本稿ではその模様をダイジェストでお届けする。
Webの歴史は、1990年代に登場した第1世代の「Web1.0」、そして現在の主流である第2世代の「Web2.0」、そして現在次世代のWebとして注目を集めている第3世代の「Web3.0」に分けられる。こう解説するのは、ブロックチェーンを活用したソーシャルコミュニティー事業を運営するDAOの上田敏孝氏(代表取締役CEO、Polkadot公式アンバサダー)だ。
「Web1.0は『リードオンリー』のWebサイトがそれぞれ独立してインターネット上で“点”として存在している状態で、ユーザーはもっぱらコンテンツを一方的に受信する立場だった。それに対してWeb2.0は、GoogleやFacebook、Amazon.com、Appleなどのビッグテック(Big Tech)と呼ばれる巨大IT企業が、Web1.0では点として散在していたWebを自社のプラットフォームに集約し、かつユーザー自身が情報を発信できる『リード&ライト』を可能にした」(上田氏)
現在これらビッグテックが提供するプラットフォームサービスはインターネットを席巻しており、われわれの生活になくてはならないツールとなった。だが、その一方で「さまざまな問題が持ち上がってきた」と上田氏は指摘する。
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