Microsoftは、「Microsoft Dev Box」の一般提供を開始した。開発者のユースケースと生産性に最適化された、すぐにコーディングを開始できるクラウドベースの仮想ワークステーションに、開発者がセルフサービスでアクセスできるAzureサービスだ。
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Microsoftは2023年7月10日(米国時間)、「Microsoft Dev Box」(以後、Dev Box)の一般提供を開始したと発表した。Dev Boxは、開発者のユースケースと生産性に最適化された、すぐにコーディングを開始できるクラウドベースのワークステーションに、開発者がセルフサービスでアクセスできるAzureサービスだ。
Dev Boxは、2022年5月の「Microsoft Build 2022」で発表された。Microsoftはそれ以前にも、クラウドを利用して開発者の生産性や満足度を高めるサービスとして、2016年に「Azure DevTest Labs」、2019年に「Visual Studio Codespaces」を導入している。これらには、それぞれ以下のような特徴と課題があり、Microsoftはこれらの課題を克服するサービスとして、Dev Boxを投入した。
Microsoftはこれらの課題を踏まえ、以下の要件を満たし、開発者に最適化された新しい仮想ワークステーションを提供する必要があると判断した。
Microsoftは、既に提供していたクラウドPCサービス「Windows 365」を、新しいソリューションの基盤として採用した。Windows 365は、パーソナライズされたWindowsデスクトップ、アプリ、設定、コンテンツを、Microsoftクラウドからあらゆるデバイスに安全にストリーミングするものだ。「Microsoft Intune」と完全に統合されているため、IT管理者はクラウドPCを物理デバイスとともに管理できる。
Windows 365をベースに、開発者に最適化された機能を利用できるクラウドベースのワークステーションを提供するサービスが、Dev Boxだ。
MicrosoftはDev Boxで、開発者に最適化された以下のような機能を利用できるようにした。
さらに、Microsoftは2023年5月開催の「Microsoft Build 2023」で、Dev Boxの以下のような機能強化も発表している。
Dev Boxは、当初は純粋な従量課金制の料金体系が計画されていた。だが、これはDev Boxのパートタイム利用には適していたものの、フルタイム利用の場合、料金の変動が大きくなる可能性があり、企業にとってコスト管理がしにくいという問題があった。
そこでMicrosoftは、さまざまなユースケースに対応するため、Dev Boxのフルタイム利用は、予測可能な月額料金制を導入するとともに、月々の上限額を設定した従量課金制も維持することとした。
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