Zoomの最高プロダクト責任者が「Zoomの利用規約は、同意なくユーザーコンテンツをAIトレーニングに利用できる」という技術系情報サイトの懸念、議論に対して「Zoomのサービス規約と業務慣行はAI機能にどのように適用されるか」と題したブログ記事を公開した。
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Zoom Video Communications(以下、Zoom)の最高プロダクト責任者を務めるスミタ・ハシム氏は2023年8月7日、「Zoomの利用規約は、同意なくユーザーコンテンツをAIトレーニングに利用できる」という技術系情報サイトの懸念、議論を巡り、「Zoomのサービス規約と業務慣行はAI機能にどのように適用されるか」と題した記事を公式ブログで公開した。
Zoomは同日、利用規約の「10.4 Customer License Grant」(お客さまのライセンスの付与)の末尾に、「Notwithstanding the above, Zoom will not use audio, video or chat Customer Content to train our artificial intelligence models without your consent.」という文言を追加した。なお日本語版でも「上記にかかわらず、Zoomはお客さまの同意なくAIモデルのトレーニングにオーディオ、ビデオ、チャットに関するカスタマーコンテンツを使用しないものとします」という文言が追加されている。
ハシム氏は記事の冒頭で、AIモデルのトレーニングにおける顧客コンテンツの扱いに関する同社の大原則をあらためて強調した。
記事では、Zoomサービスの2つの重要な側面(AI機能と、製品改良を目的とした顧客コンテンツの共有)に対する同社のアプローチを明確にすることを目的に、2023年3月に行ったサービス規約の変更と、最近導入した生成AI機能に関する解説に加え、医療機関や教育機関の顧客コンテンツの扱いに関する補足説明を行っている。
Zoomは最近、「Zoom IQ Meeting Summary」(会議の自動要約機能)と「Zoom IQ Team Chat Compose」(AIを活用したチャット作成機能)という生成AI機能を導入し、無料で試用できるようにした。Zoomアカウントの所有者と管理者は、これらのAI機能を有効にするかどうかを管理できる。
これらの機能を有効にすることを選択すると、顧客コンテンツを用いたAIモデルのトレーニングに関する透明性の高い同意プロセスを経て、有効化が行われる。顧客コンテンツは、これらのAIサービスのパフォーマンスと精度を向上させるためだけに使用される。データ共有を選択した場合でも、サードパーティーのモデルのトレーニングにデータが使用されることはない。
また、顧客がZoomの生成AIサービスを使用すると、顧客と会議参加者に通知されるようになっている。
Zoomは、教育機関の顧客とは学生データ保護契約を、医療機関の顧客とは業務提携契約(法的に義務付けられている)を、それぞれ定期的に締結している。Zoomにおける教育記録、学生データ、保護された医療データに関する取り扱いは、これらの契約の条項や、該当する法律に従って管理されているとした。
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