兄が私を技術の世界に連れて行ってくれたGo AbekawaのGo Global!〜Pachpind Mayur Annasaheb(前)(1/2 ページ)

グローバルに活躍するエンジニアを紹介する本連載。今回はインタースペースでエンジニアとして働く、Pachpind Mayur Annasaheb(パッチピンド・マユール・アンサヘブ)さんにお話を伺う。インド生まれのマユールさんが日本の会社に入ってびっくりしたことは「ランチを1人で食べている人がいること」だった。

» 2023年08月29日 05時00分 公開

 国境を越えて活躍するエンジニアにお話を伺う「Go Global!」シリーズ。インタースペースでエンジニアとして働く、Pachpind Mayur Annasaheb(パッチピンド・マユール・アンサヘブ)さんにお話を伺った。「コンピュータとは何なのか」とエンジニアにとって基本であり、常に考えるべきこの疑問に答えてくれたのは2つ上の兄だった。

 聞き手は、アップルやディズニーなどの外資系企業でマーケティングを担当し、グローバルでのビジネス展開に深い知見を持つ阿部川“Go”久広。

大切なことは兄が教えてくれた

阿部川 “Go”久広(以降、阿部川) ご出身はインドですね。

Pachpind Mayur Annasaheb(パッチピンド・マユール・アンサヘブ、以降マユールさん) はい。アフマドナガル州のサンガムネルという都市で生まれました。インドの西に位置する自然豊かな土地です。学ぶことが文化の中心であるような地域で、インドの著名な人物を多く輩出したところとしても知られています。

阿部川 そういった場所でしたら、子どものころは遊ぶより、家で勉強したり本を読んだりしていたのでしょうか。

マユールさん そうですね、人と交わって遊ぶというよりは何かを1人でやるタイプでした。自分一人で考えたり、想像したりするのが好きでした。ただ、だからこそ、人の話をよく聞く、客観的に物事を見るといったことができるようになったと思っています。今でも、人との交わりとは少し距離を置いて全体を見たり考えたりすることが得意です。

阿部川 傍観者として客観視する方なのですね。本はたくさん読まれましたか。

マユールさん 物語を読むのが好きでした。技術も好きだったので、アプリケーションの作り方などの本をよく読みました。技術に興味を持つようになったのは、2つ上の兄が、エンジニアになるための教育を受け出したころだと思います。兄が技術の世界に私を連れて行ってくれたようなものです。兄は現在、技術スペシャリストとしてセキュリティ関連のアプリケーション開発に携わっています。

阿部川 お兄さまからたくさんの影響を受けたのですね。

マユールさん その通りです。今も、たくさんのことを教えてもらっています。最新の技術のトレンドなどを毎週ビデオ通話で教えてもらっているんですよ。

阿部川 先ほどアプリケーションの話が出ていましたが、最初に触れたソフトウェア、もしくはハードウェアを覚えていますか。

マユールさん インドではソフトウェアを学んでからハードウェアの知識を深めるのが一般的です。ですのでソフトウェアを6年ほど勉強してから、ハードウェア的な知識――例えば、これがRAMだからこうやって修理して、こうやって換えて……といったことを学びます。最初のハードウェアはあまり覚えていないのですが、確かDellのデスクトップだったと思います。インドではDellが有名なので。

阿部川 始めてPCに触れたときのことを覚えてますか。

マユールさん 学校の授業でC言語を学んだときですね。ただ、そのときは勉強として触れただけです。その後、兄がエンジニアコースに入ったときにデスクトップPCを買ってもらい、頻繁にPCを使うようになりました。15歳か16歳くらいのときだったと思います。

 最初はやっぱりゲームばかりやっていましたね(笑)。そのうち兄が宿題を出してくれるようになって「コンピュータとは何なのか」を理解し始めました。兄が私の目を開かせてくれたのです。そこからプログラミングやプログラム言語のことをより深掘りするようになりました。

阿部川 お兄さんが課題を! それはすごい。それがあったからマユールさんは今日こうしてエンジニアになれたのですね。これはお兄さんに感謝しないと。

マユールさん 感謝しきれません。兄がいなかったらエンジニアにはならなかったと思います。

画像 マユールさん(右)をエンジニアに導いたお兄さん(左)

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