Googleは、AIの機会と課題を理解し、これらに対処する取り組みを促進する「Digital Futures Project」を立ち上げた。
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Googleは2023年9月11日(米国時間)、「Digital Futures Project」の創設を発表した。AI(人工知能)の機会と課題を理解し、これらに対処する取り組みを促進するため、さまざまな声を結集することを目的としたプロジェクトだ。
Googleは同プロジェクトを通じて、責任あるAI開発に向けて、研究者を支援し、会議を開催し、公共政策ソリューションに関する議論を促進する。同プロジェクトの一環として、Google.orgは2000万ドルの基金「Digital Futures Fund」を設立し、AIに関する対話と調査を促進するために、世界中の主要なシンクタンクや学術機関に助成金を提供する。
Googleは「AIはわれわれの生活を便利にし、病気の予防、都市機能の向上、自然災害の予測など、社会の最も複雑な課題の解決に役立つ可能性がある。だが、その一方で、公平性、偏見、誤情報、セキュリティ、仕事の未来といった問題も呼び起こしている。これらの問題に対処するには、産業界、学界、政府、市民社会が深く協力する必要がある」との認識を示している。
Digital Futures Fundは、さまざまな視点や専門ノウハウを持つ独立した思想家を支援し、以下のような問題を探求するとしている。
Digital Futures Fundの初回助成先には、アスペン研究所、ブルッキングス研究所、カーネギー国際平和基金、新アメリカ安全保障センター、戦略国際問題研究所、Institute for Security and Technology(IST:安全保障・技術研究所)、Leadership Conference Education Fund(リーダーシップ会議教育基金)、MIT Work of the Future(MITワークオブザフューチャー)、Rストリート研究所、SeedAIが含まれる。Digital Futures Fundは、世界各国の機関も支援する計画であり、近いうちにその情報も発表する。
Googleは責任あるAIへの取り組みを進めており、2018年には、その活動の指針となる一連のAI原則を発表し、新しいシステムを厳格にレビューすることでそれらを実行に移すガバナンスチームも設立した。またGoogle Researchは、公平性、公正性、セキュリティ、プライバシー、安全性といった問題についての調査結果を定期的に発表している。
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