技術コンサルタント会社のThoughtworksは技術レポート「Technology Radar」第29版を公開した。Thoughtworksは「生成AIが開発者の生産性向上にどのように役立つか探求した」としている。
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技術コンサルタント会社のThoughtworksは2023年9月27日(米国時間)、技術レポート「Technology Radar」第29版を公開した。このレポートは、顧客のビジネス課題解決のため、同社の技術分析の結果や業務上得られたノウハウなどをまとめたもの。第29版のテーマは「生成AI(人工知能)と開発生産性」だ。
レポ−トで取り上げられている主なトピックは以下の4つ。
生成AIはソフトウェア開発プロセスのさまざまな段階で活用できる。既に「GitHub Copilot」「Codeium」「Tabnine」などのAIによる補助機能を持つツールは、ソフトウェア開発者のコーディングスタイルに大きな影響を与えている。だが、検討すべきポイントとしてコーディング以外のタスク、例えば「どんなユーザーがどのようにソフトウェアを使うか(使ってほしいか)」といったユーザーストーリー作成などに生成AIをどのように活用できるかがある。
生産性を測定する試みは以前から存在するが、最近では「DX DevEX 360」など開発者のエクスペリエンス向上と生産性サポートに焦点を当てた新しいツールが登場している。「生産性を測定することの生産性が低い」とならないように、生産性の定義と測定方法を改善する必要がある。
OpenAIの「ChatGPT」、Googleの「Bard」、Metaの「LLaMA」などLLMは少数の主要プレイヤーの貢献が目立つ。興味深いトレンドとしては、LLMのセルフホスティングやLLMを利用した自律エージェントなどがあり、生成AIのカスタマイズやコントロールへの関心の高まりを示している。
リモートでの働き方は今後も続くだろう。幸いにもそうした働き方を支援する、リモートイベントストーミングなどの幾つかのツールと手法が確立されており、チームがリモートでの作業に適応しやすくなっている。
ThoughtworksのCTO(最高技術責任者)であるレイチェル・レイコック氏は「この新しいテクノロジーは全体的な効率向上やイノベーションをもたらし、“知識作業”を再形成するなど企業に大きな影響を与える可能性がある」と述べている。
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