マカフィーは、世界7カ国で実施した「詐欺メッセージに関するグローバル調査」の結果を発表した。日本人は毎日平均5.7件の偽メッセージを受け取っており、偽メッセージをクリックしてしまった日本人の割合は43%だった。
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マカフィーは2023年11月14日、「詐欺メッセージに関するグローバル調査」の結果を発表した。世界7カ国(米国、オーストラリア、インド、英国、フランス、ドイツ、日本)の成人を対象に、詐欺メッセージが世界中の消費者の生活にどのような影響を与えているかを調べたもの。7130人から有効回答を得た。調査結果によると、日本人は毎日平均5.7件の偽メッセージを受け取っていることが分かった。
調査結果によると、日本では43%が偽メッセージをクリックしており、そのうちの13%が実際に金銭被害を受けていた。また金銭被害に遭った人のうち、6%は100ドル(2023年11月15日時点のレートで約1万5000円)以上を失っていることが分かった。
こうした偽メッセージの作成に、よくAIが使われているという。McAfeeのローマ・マジュムデル氏(製品担当シニアバイスプレジデント)は、「AIの進歩によって、詐欺メッセージはかつてないほど巧妙になり、現在私たちが目にしている詐欺メッセージの猛威は人々の時間やエネルギー、経済力を奪っている」と述べている。
マカフィーは、今回の調査結果から、オンライン詐欺に関する4つの洞察を明らかにした。
1つ目は「巧妙にカムフラージュされた詐欺メッセージ」。調査結果によると「詐欺メッセージの判別に苦慮する」と回答した人の割合は53%。また、57%の人が「詐欺メッセージに誤字や脱字がなくなり、メッセージ内容の信ぴょう性が高くなった」と答えている。詐欺メッセージは個人的な内容にカスタマイズされていることが多く、29%が「詐欺かどうか、特定が難しくなった」と回答した。典型的な詐欺メッセージのタイプは、「偽の不在配達、または配達トラブルの通知」で66%を占めている。
2つ目は「詐欺メッセージの対処に費やす時間」。詐欺メッセージはさまざまな方法で日常的に送られてくる。日本において、詐欺メッセージが送られてくる方法では「メール」は72%。「SMS(Short Message Service)」は54%、「ソーシャルメディアのメッセージ」が34%だった。これらを通じて送られてきたメッセージが本物か偽物かどうかを確認、検証、判断するのに費やす時間は、日本人の場合、毎週平均40分。これは労働時間に換算すると、年間で34.6時間以上に相当する。
3つ目は「信ぴょう性のある偽の通知」。「詐欺通知を本物だと信じたことがある」と回答した人の割合は43%。詐欺だと判別が困難な信ぴょう性のある偽の通知のトップは、「偽の不在配達、または配達トラブルの通知」で18%を占めていた。
4つ目は「オンライン上の安全を守るための管理方法」。AIを使った詐欺メッセージが増える中、日本において「デジタル通信への信頼が低下している」と回答した人の割合は31%。マカフィーは「デジタル上のセキュリティ防御に関する知識が足りていないことが主な要因だ。電子メールやSMSによる詐欺から身を守る方法を知っていると回答した日本人は35%にすぎなかったことからも明らかだ」としている。
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