日本語は「西野カナ」が教えてくれたGo AbekawaのGo Global!〜Thidar Win(後)(2/2 ページ)

» 2024年01月12日 05時00分 公開
前のページへ 1|2       

助けたいし、助けてもらうとうれしい

阿部川 2021年に現在のトリニティに転職します。転職の理由はなんだったのでしょう。

ティダーさん はい。3つあります。1つ目は、自社開発をやりたいと考えていたこと、2つ目は、マネジメントをもっとやりたいと思っていたこと、3つ目は、前職でクレジットカード関連の業務に携わってきたので、その知識を生かせる企業を探していたことです。トリニティは、その全部に合致していたんです。

阿部川 お話された3つのポイント、自社開発、マネジメント、クレジットカード。いまのお仕事では全部できていますか。

ティダーさん そうですね。自社開発ですし、リーダーをやっていますし、「VALUE GATE」というポイントサービスに携わってカードの知識なども生かせています。

阿部川 順当にやりたいことをやれている。すごいですね。この先、10年ぐらいたったら、どんなことを実現していたいですか。

ティダーさん プロジェクトマネジャーを目指していますので、メンバーからは「この人に付いていきたい」、上司からも「この人になら任せられる」というふうに思われるリーダーになっていたいと思います。困っている人がいたら放っておけない性分なので、頼られたい気持ちが強いのかもしれません。

阿部川 「私はリーダーになりたい」と100回壁に向かって言ったとしても実現しません。でも、外に向かって発信していれば、それを聞いている人が必ずいます。ティダーさんの今までの行動力を考えるとすぐにでも具体化していくのだろうな、と思います。今、仕事で1番楽しいことは何ですか。

ティダーさん 1番かどうかはちょっと微妙ですけれど、今のチームのメンバーって、予想外のトラブルや予想通りにならなくてスケジュールが遅延しそうなときに、手伝ってくれないかとお願いすると、喜んでやってくれるんです。そういうときにうれしい気持ちになります。

画像 日本を満喫中のティダーさん

Go’s thinking aloud〜インタビューを終えて

 自分の身に起こったことを、至極自然に、順当に受け入れる力のある人がいる。例えそのときはネガティブな結果に思えても、目をそらすでも、反発するでもなく、全てをそしゃくしその先の自分の力に変えるタイプの人。ティダーさんはその典型だ。

 成績が良く、将来は産婦人科になりたかったが、たった9点足りず断念。だがすぐ2番人気の外国語大学に進学し、人のやらない「日本語」を専攻、おかげで日本へ、そして気付いたら就職先は日本企業だった。人のためにIT業界を選び、転職の理由は自社開発、マネジメント、クレジットカードの3つがやりたかったから。今は3つとも実現し、プロジェクト全体を統括、管理している。

 自分のキャリアについては、「置かれた場所で咲きなさい」もアリ、自ら咲けるところを選ぶもアリだとは思う。しかしどちらにせよ、「まずは与えられたものをやり切ってみないと」とは思うのだが、それは転職や求人がアプリケーション一つで簡単にできてしまう今、もう古い考えなのだろうか。

阿部川久広(Hisahiro Go Abekawa)

アイティメディア 事業開発局 グローバルビジネス戦略室、情報経営イノベーション専門職大学(iU)教授、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科(KMD) 訪問教授 インタビュアー、作家、翻訳家

コンサルタントを経て、アップル、ディズニーなどでマーケティングの要職を歴任。大学在学時から通訳、翻訳も行い、CNNニュースキャスターを2年間務めた。現在情報経営イノベーション専門職大学教授も兼務。神戸大学経営学部非常勤講師、立教大学大学院MBAコース非常勤講師、フェローアカデミー翻訳学校講師。英語やコミュニケーション、プレゼンテーションのトレーナーとして講座、講演を行う他、作家、翻訳家としても活躍中。

編集部から

「Go Global!」では、GO阿部川と対談してくださるエンジニアを募集しています。国境を越えて活躍するエンジニア(35歳まで)、グローバル企業のCEOやCTOなど、ぜひご一報ください。取材の確約はいたしかねますが、インタビュー候補として検討させていただきます。取材はオンライン、英語もしくは日本語で行います。

ご連絡はこちらまで

@IT自分戦略研究所 Facebook@IT自分戦略研究所 X(旧Twitter)電子メール


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

RSSについて

アイティメディアIDについて

メールマガジン登録

@ITのメールマガジンは、 もちろん、すべて無料です。ぜひメールマガジンをご購読ください。