1万人のアセスメント結果から見えた「日本企業がDX人材を活用するためのアプローチ」とはPwCコンサルティングが「DX人材活用の差別化戦略ノート」を公開

PwCコンサルティングは「DX人材活用の差別化戦略ノート」を発表した。PwC Strategy & Katzenbach Centerの「Digital Scoringサービス」のアセスメント結果を、PwCコンサルティングが独自に分析したもの。そこから見えた、DXを実現する人材活用の3つのアプローチを紹介している。

» 2024年02月26日 08時00分 公開
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 PwCコンサルティングは2024年2月21日、「DX(デジタルトランスフォーメーション)人材活用の差別化戦略ノート」を発表した。このレポートはPwC Strategy & Katzenbach Centerの「Digital Scoringサービス」のアセスメント結果を、PwCコンサルティングが独自に分析したもの。

チャレンジ精神はあるが、スキルや知識は不足

 Digital Scoringサービスは、「DXをけん引するイノベーション人材」のコンピテンシー(行動特性)を4つの要素と12の下位領域に分け、それを基に、個人のデジタルリテラシーをアセスメント(評価)するツールだ。PwCコンサルティングは、Digital Scoringサービスで、1万人以上をアセスメントした実績がある。そのデータによると日本企業の人材の傾向に特徴があることが分かった。

画像 DX人材のコンピテンシー分類(提供:PwCコンサルティング

 それは「相対的に高いマインドセットとスキルの伸び悩み」「デジタル技術の活用力が全般として低調」「いかに潜在的なDX人材を発掘し育てていくか」という3つだ。

 例えば“相対的に高いマインドセットとスキルの伸び悩み”については、コンピテンシーの4要素のスコアを見たところ、「マインドセット」が最も高く43%で、最も低いのは「スキル」で24%だった

画像 4要素のスコア平均(提供:PwCコンサルティング

 “デジタル技術の活用力が全般として低調”は、「チャレンジ精神」はLevel 3に達している一方、「データ活用」「デジタル活用」「オンライン活用」はLevel 1にとどまっており、データドリブンでのアプローチに必要なスキル、知識の活用が全般的に低調だった。

画像 12の下位領域のスコア(提供:PwCコンサルティング

 “いかに潜在的なDX人材を発掘し育てていくか”については、割合は多くないものの「非IT、DX関連部門の人材においてもLevel 3に達する人材がいる」ということが明らかになった。

DXを実現する人材活用の3つのアプローチ

 PwCコンサルティングは、日本企業がDX人材を活用するために必要なアプローチとして次の3つを挙げる。

マインドセットを自社のDXの取り組みにつなげる

 DX成功の鍵は、どれだけ多くの社員が自社の取り組みを理解し、自分ごととしてスキルを獲得し実践できるかにかかっている。同社は「相対的に高いマインドセットを生かし、スキルと知識の習得を促し、自社のDXへ自律的に取り組める環境を実現することが重要だ」としている。

デジタル活用スキルを生かす仕組みや環境の整備

 汎用(はんよう)的な知識とスキルを、実務においてどのようなファシリティ(ツール、データ基盤など)を活用し、何を実現させたいのかを定め、「基礎研修からステップ・バイ・ステップで実践定着まで促す必要がある」としている。

社内のデジタル適性の高い人材を育成する

 DXを実現するには技術だけでなくビジネスへの適用が重要だ。社外から採用してきた専門人材だけではDX実現は難しい。そのため、「自社の顧客や社内業務をよく理解し、DX施策の自組織へのフィット/ギャップを識別でき、デジタルリテラシーを有する非IT、DX関連部門の人材を、DXのキー人材として育成していく必要がある」とPwCコンサルティングは提言している。

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