ガートナージャパンは、コンサルティングサービスに関する見解を発表した。新たなアイデアやビジネスに関する支援を除き、コンサルティングベンダーに委託している業務をAIが担うようになっていくという。
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ガートナージャパンは2024年2月14日、コンサルティングサービスに関する見解を発表した。同社は「現在コンサルティングベンダーへ委託している業務の30%は2029年までにAI(人工知能)で実施できるようになる」としている。
ガートナージャパンによると、2021年以降、国内コンサルティングベンダーの人員数や売り上げが急拡大したという。同社の推計によると、国内コンサルティングサービス市場は、2022年は対2021年比19.8%増、2023年は対2022年比10.7%増に拡大している。
企業がコンサルティングサービスを使う目的は主に「新規ビジネスの創出」か「既存ビジネスの変革」だ。ガートナージャパンの調査によると、コンサルティングサービスを利用している企業のうち、新ビジネスの立ち上げに取り組んでいるのは41.4%。現在のビジネスモデルの改善に取り組んでいるのは37.7%と拮抗(きっこう)していた。
ガートナージャパンは、コンサルティングサービスのうち、情報整理や理想像とのギャップ分析といった作業でのAI活用が加速し、今後5年のうちにはその大部分がAIに置き換わるとみている。同社の海老名 剛氏(バイスプレジデント アナリスト)は、「既存ビジネスを対象とするコンサルティングでは、既存プロセスの棚卸し整理といった比較的単純な作業の工数が委託作業全体の3分の1以上になる契約がある」と述べる。
一方で、「社内のみでは発想が難しいアイデアを得たり、新たなビジネスを立ち上げたりすることを支援するコンサルティングへの需要は継続する」と海老名氏は予測している。
「今後、AIをビジネスに取り入れる能力や、適切なコンサルティングベンダーへ委託する能力が、企業の市場競争力をますます左右するようになる。十分な能力が確保できない企業は、効果が得られないままAIやコンサルティングサービスに多額のIT予算を費やし競争優位を失う恐れがある」(海老名氏)
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