Row Zeroは、表計算ソフトウェア「Row Zero」を発表した。「Microsoft Excel」や「Google Sheets」のような見た目と操作性を持ちながら、100倍高速だとしている。
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2024年2月29日(米国時間)、Row Zeroは、表計算ソフトウェア「Row Zero」を発表した。
発表によると、「Microsoft Excel」や「Google Sheets」のような見た目と操作性を持ちながら、Excelよりも100倍高速な表計算ソフトウェアだという。数GBのCSV、JSONL、Parquetファイルを簡単にインポートしたり、「Snowflake」「Amazon Redshift」「PostgresSQL」「Amazon S3(Amazon Simple Storage Service)」に直接接続したりできる。ビッグデータの探索や、ライブダッシュボード、予測、財務モデルの構築に役立つとしている。
同社は、Excelがデータを探索し、モデルを構築し、ビジネスパートナーと予測を共有する最速の方法である一方、次の3つの課題があるとした。
Excelのメリットはリッチさとレスポンスの良さだが、それを手に入れると、他の多くを諦めなければならない。それが開発に至った理由だと、Row Zeroは述べている。
Row Zeroは同名ツールの特徴や改善点を次のように解説した。
Row Zeroの処理速度はデスクトップ版のExcelの100倍、Google Sheetsの1000倍だ。ユーザーはこれまでに最大で2億7000万行のデータをインポートしている。Row Zeroは10億行まで処理できる。
ワークブックはAWS(Amazon Web Services)リージョンで実行、処理される。そのため、Snowflake、Redshift、Amazon S3のようなデータソースから数億行のデータを数秒で読み込むことができる。また、ユーザーに最も近いリージョンで動作するため、デスクトップアプリのような応答性を実現する。
Row Zeroで利用可能な数式言語はExcel互換だ。さらに、「pandas」「NumPy」「SciPy」「yfinance」といったPythonライブラリを活用した独自の関数を定義することも可能だ(シートと別のウィンドウでPythonコードを記述する必要がある)。Pythonの型は、スプレッドシートの型システムにシームレスに変換される。
インポートされたデータはデフォルトでは変更できない。データ型はdatetime型とjson型がある。ピボットテーブルは動的に操作可能だ。新しいチルダ演算子を用いて、参照するデータを絞り込むことできる(「~A1:A10」と指定すると、その範囲内のフィルタリングされた行や非表示の行を除外する)。
Row Zeroは、BIツールとはアーキテクチャが異なる。DWH(データウェアハウス)に計算を委ねるのではなく、全てをメモリにロードすることで速度を追求している。さらに、コントロールプレーンが計算リソースを動的に増減させることで、リソースやコストを最適化させている。
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