IDC Japanは、ITインフラ運用に関する調査の結果を発表した。ITインフラの課題では、ITエンジニアのスキルや人数の不足などが上位に挙がった。
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IDC Japanは2024年5月27日、ITインフラ運用に関する調査結果を発表した。この調査は国内の企業でITインフラ導入の意思決定やITインフラ導入のプロセスに関与する人を対象に実施し、557人から有効回答を得た。
それによるとITインフラの課題としては、ITエンジニアのスキルや人数の不足、コストの上昇、セキュリティ上の懸念の高まり、ITインフラの複雑化などが上位に挙がった。
今後のITインフラの採用方針について聞いたところ、「専有型ITインフラを優先(必要に応じてパブリッククラウドも利用)」と回答した人の割合が最も高く、45.2%。次いで「マルチクラウド/マルチインフラ(適材適所)」が29.1%だった。大多数の企業が複数のITインフラを使い分ける方針を採用しており、「専有型ITインフラのみ」または「パブリッククラウドのみ」といった回答は少なかった。こうした結果からIDC Japanは「ITインフラ管理の複雑化がさらに進む」と予測している。
ITエンジニアの人材不足に関しては、クラウド、ソフトウェア、セキュリティの分野で特に不足感が強かった。対策としては「外部委託の拡大」「ITエンジニアの教育体制の拡充」「AI(人工知能)や自動化ツールの利用拡大」などが挙がった。IDC Japanは「今後、ITインフラ運用をベンダーに委託する“as a Serviceモデル”やマネージドサービス、ITエンジニアのトレーニング、生成AIの活用も含めた運用自動化ツールに対する需要が高まる」と分析している。
メインフレームについては、62.5%が「継続して利用する」(メインフレームを更新して全面的に継続利用する、メインフレームを部分的に残しつつ他のプラットフォームと併用する)と回答しており、「他のハードウェアプラットフォームやパブリッククラウドに移行する」といった回答は少なかった。
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