Microsoft、Armプロセッサ「Azure Cobalt 100」を搭載したAzure VMプレビューを発表前世代Azure ArmベースVM比で、CPU性能が最大1.4倍に

MicrosoftはArmベースプロセッサ「Azure Cobalt 100」を搭載した新しいAzure仮想マシンのプレビュー公開を発表した。本記事ではその概要を紹介する。

» 2024年06月12日 08時00分 公開
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 Microsoftは2024年5月21日(米国時間)、Armベースプロセッサ「Azure Cobalt 100」を搭載した新しいAzure仮想マシン(VM)のプレビュー公開を発表した。同社によるとCobalt 100プロセッサは、Neoverse Nシリーズ(N2)Arm CPU設計に基づいており、スケールアウト型クラウドベースアプリケーションのパフォーマンスを最適化しているという。プレビューには、汎用(はんよう)のDpsv6シリーズおよびDplsv6シリーズと、メモリ最適化VM(Epsv6シリーズ)が含まれる。

(提供:Microsoft)

Azure Cobalt 100 VMの用途

 Dpsv6およびDpdsv6は、「Azure Kubernetes Service」(AKS)上で実行されるようなスケールアウト型ワークロードやクラウドネイティブコンピューティングソリューションを効率的に実行できるよう設計されている。これらのVMは、小規模から中規模のオープンソースデータベース、アプリケーションサーバ、Webサーバに適している。

 Microsoftによると、これらのVMは、小規模から中規模のオープンソースデータベース、小規模データベース、アプリケーションサーバ、Webサーバ、コンテナ化されたアプリケーション、メディアエンコーディングなどvCPU当たりの高いRAMを必要としないワークロードに適しているという。

 加えて、メモリ最適化VMのEpsv6およびEpdsv6は、vCPU当たりのメモリが大きい、大規模データベース、インメモリキャッシングアプリケーション、データ分析ワークロードに適しているとした。「新しく発表した全てのCobalt 100搭載VMは、最新の動的でスケーラブルなアプリケーションをシームレスに実行できるだろう」(Microsoft)

Azure Cobalt 100 VMの性能

 MicrosoftによるとAzure Cobalt 100 VMは、前世代のAzure ArmベースVMと比較して、CPU性能で最大1.4倍、Javaベースのワークロードで最大1.5倍、Webサーバ、.NETアプリケーション、インメモリキャッシュアプリケーションで最大2倍の性能を発揮するという。これらのVMは、前世代のAzure ArmベースVMと比較して、4倍のローカルストレージIOPS(I/O毎秒、NVMeダイレクト使用時)と最大1.5倍のネットワーク帯域幅をサポートしている。

 VMを選択する際は、それぞれのAzure仮想マシンからワークロードのCPU性能とメモリのニーズを満たすものを選べる。また、vCPUサイズに対して3種類のメモリ比率から選択できるため、ワークロードに適した構成を選択できる。シリーズごとの性能は下記の通り。

  • Dpsv6シリーズ:最大96個のvCPUと384GBのRAM(メモリ対vCPU比4:1)
  • Dplsv6シリーズ:最大96個のvCPUに192GBのRAMを搭載(メモリ対vCPU比2:1)
  • Epsv6シリーズ:最大96個のvCPUに最大672GBのRAM(メモリ対vCPU比は最大8:1)搭載、メモリ集約型のワークロードに対応

Azure Cobalt 100 VMの利用条件、料金

 これらのVMは、全てローカルディスク付きとディスクなしオプションが用意されており、ワークロードごとに選択できる。また、Azureポータル、SDKなどの既存の方法を使用してデプロイできる。

 プレビュー期間中、VMは米国中部、米国東部、米国東部2、米国西部2、北ヨーロッパ、西ヨーロッパ、東南アジアのAzureリージョンで利用できる。リージョン数は2024年以降拡大する予定だという。

 また、プレビュー期間中はAzure Cobalt 100 VMを無料で利用できる。しかしながら、Azureサブスクリプションには、デプロイで使用されるディスクストレージなど他のAzureリソースやサービスの使用に関連する料金が請求される。

 新しいVMは、Standard SSD、Standard HDDなど、全てのリモートディスクタイプをサポートする。ただし、ディスクストレージは仮想マシンとは別に課金される。

 Azure Cobalt 100 VMは、「Ubuntu」「CentOS」などのLinux OSディストリビューションをサポートしている。クライアントアプリケーション開発者は、クラウドベースのビルドとテストワークフローを実行するためにAzureのプラットフォームを利用できる。Windows開発者は、Windows 11 ProとEnterpriseのインサイダープレビューをAzure Cobalt 100 VMで利用できる。

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