AWSは2025年初頭までに台湾に新しいAWSリージョンを開設することを発表した。これによりユーザーは台湾国内にデータを保管することが可能になる。
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Amazon Web Services(AWS)は2024年6月11日(米国時間)、2025年初頭までに新しく台湾にAWSリージョンを開設すると発表した。「アジアパシフィック(台北)」リージョンは、ローンチ時に3つのアベイラビリティゾーン(AZ)で構成されるという。これにより、台湾のAWSユーザーは、ワークロードとデータを台湾内に留めておくことができる。
各AZは、リージョン内の他のゾーンとは物理的に独立している。AWSは、AZが「低レイテンシを必要とするアプリケーションをサポートできる一方、AZレベルでのイベントがビジネスの継続性に影響を及ぼすリスクを大幅に軽減できる」距離で設置されていると説明している。
このリージョンのAZは、専用の完全冗長光ファイバーによって高速、低遅延で相互接続される。この接続は、可用性や冗長性のためにAZ間の同期レプリケーションを必要とするアプリケーションをサポートする。
AWSでは2024年6月現在、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、サウジアラビア、タイおよびヨーロッパのソブリンクラウドリージョン開設を計画している。
AWSは10年以上にわたって、台湾のユーザーに対しサービスやサポートを提供している。
台湾のユーザーをサポートするため、AWSの台北オフィスには、ビジネス開発チーム、ソリューションアーキテクト、パートナーマネージャー、プロフェッショナルサービスコンサルタント、サポートスタッフおよびその他さまざまな役割の従業員が勤務しているという。
提供予定のAWSインフラには、2つの「Amazon CloudFront」のエッジロケーションと、複数の冗長海底ケーブルを介したAWSグローバルバックボーンへのアクセスが含まれる。台湾企業のChief TelecomとChunghwa Telecomが運営する台北の「AWS Direct Connect」ロケーションから、北京と寧夏(ねいか)を除く他のAWSリージョンにアクセスできる。AWS Direct Connectでは、従来はインターネット経由で転送されていたデータが、顧客の施設とAWS間のプライベートネットワーク接続を介して配信される。
また、「AWS Outposts」は台湾で使用することもできる。AWS OutpostsはAWSによって管理されたソリューションの集合体で、AWSのインフラとサービスをオンプレミスまたはエッジロケーションに提供し、一貫したハイブリッドエクスペリエンスを実現できるという。また、台北の「AWS Local Zones」を利用すれば、ミリ秒単位のレイテンシを必要とするアプリケーションをエンドユーザーに提供できるようになる。
「この新しいAWSリージョンの追加により、台湾のAWSユーザーはさらに低遅延でサービスを提供できるようになり、生成AIやIoT(Internet of Things)、モバイルサービスなどの高度テクノロジーを使用してイノベーションを推進できる。新リージョンにより、AWSの顧客は、台湾内でワークロードを実行し、コンテンツを保存することができるようになる」(AWS)
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