Amazon Web Servicesの生成AIマネージドサービス「Amazon Bedrock」が、本国でのリリースから数日遅れの10月3日、東京リージョンで正式に提供開始となった。このサービスには、企業での生成AI活用を促進するための幾つかの仕掛けがある。
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Amazon Web Services(AWS)は10月3日、生成AIサービス「Amazon Bedrock」を東京リージョンで正式リリースした。来日して説明したAWSの生成AI担当バイスプレジデント、 ヴァシ・フィロミン(Vasi Philomin)氏は「数日で」提供を開始すると話したが、結果的には数時間後のリリースとなった。
Amazon Bedrockは生成AIの基盤モデルをAPI経由で使えるマネージドサービス。基盤モデルをそのまま利用できる他、自社データでカスタマイズすることもできる。アプリケーション構築を容易にするツールも用意されている。
基盤モデルとしては現在、Anthropicの「Claude 2」、AI21 Labsの「Jurassic-2」、画像生成AIの「Stable Diffusion」、Amazonの「Amazon Titan」、Metaの「Llama 2」が用意されており、アプリケーションごとに選べる。
基盤モデルを複数の選択肢から選べるようにしている理由を、フィロミン氏は「(コストを含めて)全てのユースケースに適した単一の基盤モデルは存在しないからだ」と説明した。
Bedrockでは企業・組織が生成AIを活用する際の懸念に応えるべく、幾つかの仕掛けをしている。
基盤モデルのコピーでセキュリティ確保
Bedrockでは、自動的に基盤モデルのユーザー組織専用コピーが作成される。ユーザー組織はこれを利用し、カスタマイズする。従ってユーザーのプロンプトやカスタマイズに使われる組織内データが外に漏れることはないとしている。
さまざまな基盤モデルをすぐに試せる
基盤モデルの選択肢が多いのはいいが、どうやってそれぞれを試せばいいのかという問題が生まれる。Bedrockでは試してみたい基盤モデルを選択した後、「Chat Playgroud」というタブを押せば、チャットインタフェースで即座に試用ができる。
インフラを構築・管理する必要がない
Bedrockはいわゆる「サーバレス」なサービス。仮想マシンやGPUの設定・管理が要らない。
複雑なタスクを自動化するAgents for Amazon Bedrock
複数ステップのタスクで構成される複雑なアプリケーションの開発を容易にする機能として、AWSは「Agents for Amazon Bedrock」を紹介している。これは「ユーザーがリクエストしたタスクのプロンプトエンジニアリングとオーケストレーションを自動化する」機能。
具体的には、ユーザーが入力するプロンプトを複数のタスクに分解し、その都度社内データソースにアクセスし、最新の情報を取得して次のプロンプトを補完する。こうしたやり取りを通じてユーザーのリクエストに正確に応えることができるという。
例として、在庫レベル、販売データ、サプライチェーン情報を自動チェックし、最適な在庫補充時期と補充数量をリコメンドするアプリケーションを挙げている。
Agents for Amazon Bedrockではこうした機能を果たすエージェントを、コーディングなしに作成できるという。
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