調査会社のOmdiaは、データセンター冷却市場の予測を発表した。2023〜2028年の年間平均成長率は18.4%で、2028年の市場規模は168億7000万ドルに達すると予測した。AIの利用が急速に広がるにつれ、液体冷却の需要も急増したという。
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調査会社のOmdiaは2024年6月18日(英国時間)、データセンターの冷却市場予測を発表した。2023年の市場規模は76億7000万ドル。2023〜2028年の同市場における年間平均成長率(CAGR)は18.4%で、2028年には168億7000万ドルに達すると予測した。
2023年のデータセンターの冷却市場は、AI(人工知能)の利用が急速に広がるにつれ、液体冷却(液冷)の需要も急増した。Omdiaによると主なトレンドとして「Rear Door Heat Exchangers(RDHx)」と単相直接チップ冷却(DTC)技術の採用が進んでおり、前年比65%の成長を遂げたという。特に北米と中国で液冷の採用が進んだとしている。
一方、データセンター冷却市場の成長は、主に需要不足ではなく、冷却分配ユニット(CDU)のようなコンポーネントの生産能力により制限されていた。Omdiaによると、多くのサプライチェーン企業が急増する市場ニーズを満たすのに苦戦し、コンポーネント不足の問題を抱えていたという。Omdiaは、2024年にはこの問題が緩和され、2023年から遅延していた注文が処理されるとみている。
Omdiaの主席アナリスト、シェン・ワン氏は次のように述べている。
「2023年、世界のデータセンター冷却市場は統合が進み、上位5社と上位10社の集中率が前年比5%上昇した。Vertiv、Johnson Controls、Stulzが上位3社を占めており、特にVertivは北米の堅調な需要とクラウドパートナーシップにより市場シェアを6%伸ばした」
データセンターの熱管理は、AIの普及と持続可能性(サステナビリティ)により進歩している。同市場の成長が見込まれる一方で、前述したようなサプライチェーンの問題と持続可能なソリューションの採用が難しいという課題に直面している。
Omdiaは「AIに最適化された冷却システムの統合、ベンダーとの戦略的パートナーシップ、エネルギー効率に優れた持続可能な解決策の推進が重要だ。上記のような課題にうまく対処することで、成長を確実なものとし、効率的なデータセンター運営を確立し、テクノロジーと環境保護のバランスを取ることができる」と述べている。
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