AMD、Broadcom、Cisco、Google、Hewlett Packard Enterprise、Intel、Meta、Microsoftは「UALink」を発表した。データセンターにおけるAIアクセラレータ間の高速、低遅延かつオープンな接続規格の構築を目指すという。
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AMD、Broadcom、Cisco、Google、Hewlett Packard Enterprise(HPE)、Intel、Meta、Microsoftは2024年5月30日(米国時間)、「Ultra Accelerator Link(UALink)」の構築に向けて提携すると発表した。
各社は共同で、データセンターにおけるAI(人工知能)アクセラレータ間の高速かつ低遅延な通信を可能にするオープンな接続規格の策定、確立を目指す。UALinkによる相互接続の実現により、OEMメーカー、IT専門家、システムインテグレーター(SIer)が、AIワークロードを稼働するデータセンターにおける統合性、柔軟性、スケーラビリティを高めることが可能になるという。
AIコンピューティングの需要が高まるなか、単一のAIインスタンスにコンピューティングリソースを容易に追加できる、堅牢(けんろう)で低レイテンシかつ効率的な通信が不可欠になっている。次世代AIデータセンターにおいては、AI/ML(機械学習)、HPC(High Performance Computing)、クラウドアプリケーションのための標準化されたインタフェースが必要であり、オープンな標準としてUALinkを策定することが、重要な役割を果たすとしている。
発表によると、UALink 1.0の仕様では、AIコンピューティングポッド内で最大1024台のアクセラレータを接続可能になり、各アクセラレータのメモリ間でデータのロードと保存が直接できるようになるとしている。2024年第3四半期に法人化予定の「UALink Consortium」に参加する企業に対し、UALink 1.0の仕様が提供される見通しだ。
Broadcomでデータセンターソリューショングループ担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネジャーのジャス・トレンブレイ氏は「データセンターへの大規模AI技術の導入を促進させるというコミットメントに基づき、UALinkの創設メンバーになれたことを誇りに思う。高速かつ低遅延な通信を実現するために、オープンなエコシステムコラボレーションをサポートすることは非常に重要だ」と述べている。
HPEのHPC&AIインフラストラクチャソリューション担当シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネジャーであるトリッシュ・ダムクロガー氏は「オープン標準は、スーパーコンピューティングの革新とシステムへのアクセスの向上を目指すHPEにとって重要だ。UALinkの創設メンバーとして、HPEは高性能ネットワーキングとシステムに関する専門知識を提供する。次世代のスーパーコンピューティングに向けた新しいオープン標準を共同開発することを楽しみにしている」と述べている。
Intelのネットワークおよびエッジグループシニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネジャーであるサチン・カッティ氏は「UALinkは、AIコンピューティングの進歩にとって重要なマイルストーンだ。Intelは、この新技術を共同でリードし、オープンでダイナミックなAIエコシステムを構築するための専門知識を提供できることを誇りに思う。創設メンバーとして、UALinkを通じて業界のイノベーションと顧客価値の新たな波がもたらされることを期待している。このイニシアチブは、Ultra Ethernet Consortiumやその他の標準化団体における主導的役割を含む、AIコネクティビティイノベーションに対するIntelのコミットメントを拡大するものだ」と述べている。
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