「Visual Studio Code」バージョン1.91公開 拡張機能の開発を効率化する「Chat API」「Language Model API」が利用可能に変更の視覚化機能、新しいPython環境検出ツール、プロファイルエディタを導入

Microsoftは「Visual Studio Code」のバージョン1.91を公開した。ソース管理ビューで変更を視覚化するグラフ機能、新しいPython環境検出ツール、プロファイルエディタなどが導入された。

» 2024年07月09日 08時00分 公開
[@IT]

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 Microsoftは2024年7月4日(米国時間)、WindowsやLinux、macOSに対応するエディタ「Visual Studio Code」(以下、VS Code)のバージョン1.91(June 2024)を公開した。

 バージョン1.91ではソース管理、ワークベンチ、言語、拡張機能関連などの機能が強化されている。主なアップデート内容は以下の通り。

ソース管理:変更をグラフで視覚化(プレビュー段階)

 変更をグラフで視覚化する実験的な機能が導入された。グラフには、現在のブランチ、現在のブランチの上流ブランチ、オプションのベースブランチが含まれる。グラフのルートは、これらブランチの共通の祖先だ。

 この機能は「scm.experimental.showHistoryGraph」設定で有効化できる。

ソース管理ビューに、変更を視覚化したグラフを表示できる(提供:Microsoft) ソース管理ビューに、変更を視覚化したグラフを表示できる(提供:Microsoft)

拡張機能関連:Python環境の検出を高速化する「python-environment-tools」

 グローバルにインストールされたPythonとPython仮想環境の検出速度を大幅に向上させるために設計された新ツール「python-environment-tools」が導入された。このツールは、高速かつ正確な検出プロセスを保証するためにRustを採用している。

 このツールの導入は、VS CodeにおけるPythonサポートのパフォーマンスと効率を最適化する継続的な取り組みの一環だ。

拡張機能関連:VS CodeネイティブのREPLでの「Smart Send」

 VS CodeのPython拡張機能で、VS Codeネイティブの「REPL」における「Smart Send」が有効になった。

 従来は、Pythonコードの行にカーソルを置いて[Shift]+[Enter]キーを押すと、Python拡張機能がその行の内容を正確にネイティブREPLに送信していた。

 バージョン1.91では[Shift]+[Enter]キーを押すと、ネストされていないシナリオでは、実行可能な最小限のコードを、ネストされているシナリオでは、最上位のコードブロックを送信する。これにより、ユーザーはファイル内で素早く[Shift]+[Enter]キーを押し、最小限の労力で、実行可能な最大限のコードを実行できる。

拡張機能関連:チャットAPIと言語モデルAPI

 VS Code バージョン1.90では、拡張機能が「GitHub Copilot Chat」とのチャットに参加したり、言語モデル(「GPT-3.5」や「GPT-4」などのCopilot Chatモデル)にアクセスしたりするためのAPIが、VS Code Insidersでのみ利用可能になった。最新バージョンでは、これらのAPIがVS Codeの安定版で完全に利用可能になった。

ワークベンチ:プロファイルエディタ(プレビュー段階)

 プロファイルを一元管理できる「プロファイルエディタ」が実験的機能として導入された。プロファイルエディタでは、新しいプロファイルの作成、既存プロファイルの編集と削除、プロファイルのインポートとエクスポートによる他のユーザーとの共有などが可能だ。

 特定のプロファイルで新しいウィンドウを開いたり、新しいウィンドウのデフォルトプロファイルとしてプロファイルを設定したりすることもできる。

全てのユーザープロファイルとその設定を表示するプロファイルエディタ(提供:Microsoft) 全てのユーザープロファイルとその設定を表示するプロファイルエディタ(提供:Microsoft)

 プロファイルエディタは「workbench.experimental.enableNewProfilesUI」設定で有効化できる。有効にすると、ウィンドウ左下の設定アイコンからアクセスできるようになる。

言語:TypeScript 5.5で利用可能な正規表現の構文チェック

 VS CodeはTypeScriptをサポートしており、2024年6月にリリースされた「TypeScript 5.5」のおかげで、JavaScriptやTypeScriptの正規表現リテラルにおける多くの構文エラーが報告されるようになった。これ以外にも、TypeScript 5.5のさまざまな言語機能が利用できる。

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