MicrosoftはVisual Studio Codeのバージョン1.90をリリースした。本記事では追加されたエディタタブのマルチセレクトやGitHub Copilot Chatとのチャット機能などを紹介する。
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Microsoftは2024年5月28日(米国時間)、WindowsやLinux、macOSに対応するエディタ「Visual Studio Code」(以下、VS Code)のバージョン1.90(May 2024)を公開した。本記事では主なアップデート内容を紹介する。
複数のタブを同時に選択できるようになり、複数のエディタに一度にアクションを適用できるようになった。この新機能により、1回の操作で複数のタブを移動、固定、閉じることができる。選択範囲に別のタブを追加するには、「Ctrl」キー+クリック(macOSでは「Cmd」キー+クリック)を使用する。タブの範囲を選択するには、「Shift」キー+クリックを使用する。
以前はVS Codeの新しいウィンドウを開くと、アクティブなウィンドウのプロファイルか、アクティブなウィンドウがない場合はデフォルトのプロファイルが適用されていた。「window.newWindowProfile」の設定で、新しいウィンドウを開くときに適用するプロファイルを指定できるようになった。
「Always Show Editor Actions」(エディタのアクションを常に表示)設定が追加された。この設定を有効にすると、エディタがアクティブかどうかに関係なく、各エディタグループのエディタタイトルアクションが常に表示される。
設定が有効でない場合(デフォルト値)、エディタアクションはエディタがアクティブなときのみ表示される。
設定を有効にすると、エディタがアクティブでない場合でも、エディタのアクションを常に利用できるようになる。
「GitHub Copilot Chat」とチャットで会話できるようになるAPI「Chat Participants API」が追加された。チャット入力フィールドで「@」を使いGitHub Copilot Chatを呼び出すことができる。ユーザーのリクエストに対してGitHub Copilot ChatはMarkdown、ファイルツリー、VS Codeコマンドを実行するボタン、その他の種類のコンテンツで応答する。
2024年6月時点では、VS Code Insidersにのみ提供している。
言語モデルAPIを使用すると、「GPT-3.5」や「GPT-4」などのCopilot Chatモデルにアクセスできるようになった。このAPIは「LanguageModelChat」チャットリクエストやトークンのカウントに使用されるオブジェクトを中心に構築されている。
チャットオブジェクトにアクセスするには、「vscode.lm.selectChatModels」関数を使用する。この関数はセレクタを受け入れ、ベンダー、ファミリー、バージョン、識別子など、チャットモデルのさまざまなプロパティを絞り込む。
VS CodeのJava拡張機能では、Language Model APIを使って、CopilotベースでJavaコードを書き換える機能を先行して提供している。
VS Code Speechの拡張機能に音声合成機能を使ったサポートが追加された。設定「accessibility.voice.autoSynthesize」を有効にすると、音声入力を利用した場合に、Copilotチャットの応答が自動的に読み上げられるようになる。
ノートブック(コードに関係するドキュメントをまとめる機能)の検索コントロール機能で、選択したセルの特定の範囲を検索できるようになった。
「notebook.experimental.find.scope.enabled」を「true」に設定すると、検索コントロールで「Find in Cell Selection」トグルが利用できる。セル範囲を選択し、検索コントロールを開くか、既に開いている場合は「Find in Cell Selection」ボタンを選択する。
チャットプロンプトをより具体的にするために、チャットメッセージにコンテキストを追加できる。ワークスペースのシンボルなどのコンテキストをチャットメッセージに添付できるようになった。チャットビューの入力フィールドでクリップアイコンを選択するか、「Ctrl」+「/」を入力することで、チャットメッセージにコンテキストを添付できる。
Copilotが生成したコードブロック内で基本的なIntelliSense機能がサポートされるようになった。これにより、エディタで既に使用しているIntelliSenseツールの多くが使用でき、生成されたコードをより理解しやすくなる。
サポートされているIntelliSense機能は以下の通り。
IntelliSense機能を「@workspace」と組み合わせて使用すると、Copilotのレスポンスで使用されているワークスペースのシンボルに関する情報を取得できる。
TypeScript、JavaScript、HTML、CSSのコードブロックに対するIntelliSense機能はすぐに利用できる。
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