ワンタイムパスワード、QRコード、サービスのパスワードと3つの手順が必要です。
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2024年8月も大変な月になりました。猛暑な上、地震があったり台風が来たり。交通機関も混乱する中で、何とか帰省やUターンされた方も多かったでしょう。
筆者もちょうどお盆のころ、東京から関西の実家に帰省しました。小さな子ども2人を連れ、東海道新幹線を使いました。その際、毎回使っているのが、JR東海などが提供するチケット予約サービス「スマートEX」です。
「スマート」と自ら名乗るこのサービスは、確かにスマートなところもあるんですが、私の使い方だとかなりスマートじゃなくて、困っています。
スマートEXは、PCやスマートフォンから新幹線のチケットを予約できるサービスです。IDとパスワードを設定してログインし、座席を選んでクレジットカードで購入する……といった流れはなかなかスマートです。
乗車時には発券する必要があるのですが、乗車する人全員が交通系ICカードを持っているか否かで、明暗が分かれます。
全員がICカードを持っていれば、予約したチケットをICカードにひも付け、ICカードを改札にタッチするだけでチケットレス乗車できます。スマートですね。でも「全員が」ICカードを持っていなくてはならないことが、子連れ家族のハードルになります。
幼児は基本的に、ICカードを持っていません。特急の自由席や在来線は無料なので、ICカードがそもそも必要ないんです。でも、遠距離で新幹線に乗って帰省するときは、幼児も指定席1席を使いたい。長期休暇時の「のぞみ」はそもそも自由席がなく、幼児を座らせたければ指定席一択です。
そこで、紙乗車券を発券するという“スマートじゃない”手段を選ばざるを得なくなります。
スマートEXを使った紙の乗車券の発券は、一筋縄ではいきません。発券できるのは、「乗車日3日前以降」。2024年7月まで「7日前以降」だったのに、いきなり半分以下に短縮されてしまいました。
乗車当日に発券すればいいと言えばいいのですが、子ども2人の手を引いて動くので、当日はやることを最低限に減らしておきたい。となると、3日間という短い間に、JRの駅まで一度行っておく必要が出てきます。まずここが面倒です。
さらに、発券手続きも3段階もあります。
まず、スマートフォンでスマートEXのWebサイトにログインし、ワンタイムパスワードが記載されたSMSを登録電話番号に送信します(メールではなくアプリでコードを表示する方法もあるようです)。
受け取ったワンタイムパスをスマートEXのサイトに入力するとQRコードが表示されるので、これを駅のEXサービス対応券売機にかざします。
これで終わりではありません。さらに、券売機のタッチパネルで、EXサービスのパスワードを入力する必要があります。タッチパネルはQWERTY配列ではなく、abcd……とアルファベットが順に並んでいるので打ちにくいし、スマートEXのパスワードはしょっちゅう使うものではないのでよく覚えておらず、打ち間違えたりして焦ります。
スマートEXの紙発券を初めて使ったとき、私は「予約さえできていれば、すぐに発券できるだろう」と甘く構えていて痛い目を見ました。乗車当日駅に着き、券売機の前で呆然(ぼうぜん)としたのです。「ワンタイムパスワードを取得?」「EXサービスのパスワードって何だっけ……?」と。
お盆などの繁忙期は発券機も混んでいるし、メールサーバも混んでいて、ワンタイムパスワードが届くまで数分かかることがあります。時間に余裕がない状態で大混雑した駅に着くと、焦りまくります。そして子どもがグズりだし、地獄が始まるのです。
スマートEXのスマートは、ICカードにひも付けて利用する前提かもしれません。ICカードと一緒に使えば、「便利だなあ、スマートだなあ」と思うに違いない。やったことがないけど、きっと。
ただ、幼児連れなど、紙発券しか利用できないのに同行者から手も目も離せない立場の人がいることを、分かってほしいです。そして、幼児用の発券のステップを、もう少し簡単にしてもらえないでしょうか……。
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