「スイカゲーム」が掘り起こした、エンジニアたちの遊び心5歳と8歳も夢中

「スイカゲーム」の大ヒットは、派生ブームにこそ、その楽しさが詰まっているように感じます。

» 2023年11月02日 05時00分 公開
[岡田有花@IT]

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 「スイカゲーム」をご存じでしょうか。Nintendo Switch用の、とってもシンプルな落ちものゲームです。YouTubeのゲーム実況などを通じてはやっていて、先日200万ダウンロードを突破したそうです。

 スイカゲームは超シンプルながら奥が深いものです。落ちてくるフルーツの位置を左右に調整し、ボタンを押して下に落としていきます。全11種類のフルーツがあり、同じ種類のフルーツにぶつかると大きなフルーツに「シンカ」。最大シンカで巨大なスイカが現れます。

 ロジックもかなりシンプルなようです。プログラミングに不案内な筆者はよく分かっていないのですが、Unityエンジニアの「ういにゃん」さんがX(旧Twitter)でそのようなことを書いていました。

 スイカゲームの流行によって起きたのが、個人エンジニアによる“派生スイカゲーム”の乱立です。そこには、エンジニアたちの遊び心が詰まっています。

シャレの効いた派生ゲームが続々

 個人によって作られた派生ゲームは幾つもあります。話題になったものには、思わずニヤリとするシャレが効いたものも。インディーゲームクリエイターの「たアケイク」さんが開発したブラウザゲーム「ソ連ゲーム」は代表例です。

 ソ連ゲームは、スイカの代わりにソビエト連邦の建国を目指すゲームです。ウクライナやアルメニアなど、ソ連を構成していた共和国の国土を組み合わせ、最終的にソ連にシンカさせます。昨今の世界情勢もからみ、皮肉が効いた作品です。

 もう1つ話題になったのは、ういにゃんさんが開発した「コウメ太夫」ゲームのデモ映像です。芸人 コウメ太夫さんのさまざまな表情の写真が組み合わさり、シンカしていきます。

 「どうぶつタワーバトル」開発者の「Yuta Yabuzaki」さんも、「どうぶつゲーム」と称して、動物の写真を組み合わせるスイカゲーム風のデモ画面を公開しました。

個人開発の可能性を改めて見せてくれた

 シンプルなゲームがヒットし、似たようなゲームが個人によって次々に開発される現象は、Flashゲーム時代やスマホゲーム黎明(れいめい)期にはよくありました。しかし、昨今はゲームがどんどん複雑化し、個人で作れる範囲を超越。個人開発ゲームが話題になる機会が激減してしまいました。

 今回のスイカゲームのヒットで、個人でも開発可能で超シンプルなゲームが、数百万ダウンロードという単位でヒットする可能性がまだまだ残っていることが判明したのは、筆者には意外で、また、うれしいことでした。

 スイカゲームには、わが家の5歳と8歳の子どもたちもハマっています。左右のジョイスティックと決定ボタンの3つだけで遊べるので、幼児でもプレイできるのです。出てくるのは子どもになじみがあるフルーツばかりですし、種類ごとに異なる表情の顔がついていて、とてもかわいい!

 子どもたちは、「どうぶつの森」のようなゲームメーカーが作り込んだゲームも大好きですが、スイカゲームはそれ以上に愛着を持ってプレイしているように見えます。子どもたちが今後も個人開発のシンプルなゲームに触れ、自分でも作ってみたいと思うような機会が増えればいいなあと感じています。

スイカゲームで遊ぶ5歳と8歳

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