Google、「Android Studio Koala Feature Drop(2024.1.2)」をリリース 開発に役立つ新機能を多数追加Android 15に対応、Java 22機能のサポートなど

Androidアプリの公式IDEの最新版「Android Studio Koala Feature Drop(2024.1.2)」が公開された。

» 2024年09月06日 08時00分 公開
[@IT]

この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。

 Googleは2024年8月29日(米国時間)、「Android Studio Koala Feature Drop(2024.1.2)」の安定版を公開した。

 Android Studioは、Androidアプリ開発用の公式の統合開発環境(IDE)。チェコのJetBrainsのIDE「IntelliJ IDEA」をベースにしている。

 Android Studio Koala Feature Drop(2024.1.2)のベースである「IntelliJ IDEA 2024.1」は、最新のJava 22機能のサポート、視覚的および機能的に強化されたターミナル、エディタでの行固定表示(大きなファイルでの作業と新しいコードベースの参照を容易にする)といった新機能を備えている。

 Android Studio Koala Feature Drop(2024.1.2)では、これらの新機能を利用できる他、以下のように開発、デバッグ、最適化などさまざまな機能強化が行われている。

Androidデバイスストリーミングの対応デバイスが増加

 Androidデバイスストリーミングは、GoogleのモバイルおよびWebアプリ開発プラットフォーム「Firebase」を利用して、リモートの物理的なAndroidデバイスに安全に接続し、物理サーバと物理環境の間で迅速かつ簡単にアプリをテストできる機能(β段階)。これまで20以上のデバイスモデルに対応していたが、新たに「Google Pixel 9」「Google Pixel 9 Pro」「Google Pixel 9 Pro XL」「Google Pixel 9 Pro Fold」「Google Pixel 8a」「Samsung Galaxy Fold5」「Samsung Galaxy S23 Ultra」がサポートされた。

 この機能は、Firebaseの「Spark」または「Blaze」プランで利用できるが、初めてFirebaseを使用する場合のサインアップも簡素化された。

デバイスストリーミング(提供:Google)

Android SDK Upgrade Assistantを使ってAndroid 15をターゲットに

 「targetSdkVersion」(アプリがターゲットとするAPIレベルを示す整数)をアップグレードするためのステップ・バイ・ステップウィザードを提供する「Android SDK Upgrade Assistant」を利用できる。Android Studio Koala Feature Dropでは、プロジェクトをAndroid 15(API Level 35)にアップグレードするためのサポートが追加された。

Android SDK Upgrade Assistant(提供:Google)

Googleサービスへのサインインフローの更新

 1回の認証ステップで複数のGoogleサービスに簡単にサインインできるようになった。Android Studioの「Gemini」、AndroidデバイスストリーミングのFirebase、「App Quality Insights」のCrashlytics、「Android Vitals」レポートの「Google Play」、またはこれらのサービスの組み合わせのいずれを使用している場合でも、新しいサインインフローを使って簡単に起動、実行できる。きめ細かな権限設定により、どのサービスが自分のアカウントにアクセスできるかを常にコントロールすることが可能だ。

更新されたサインインウィザード(提供:Google)

Wear OSのタイルプレビューパネル

 「Jetpack Tiles」ライブラリのバージョン1.4を含めることで、Wear OSアプリのタイルのスナップショットを表示できるようになった。

Wear OSのタイルプレビューパネル(提供:Google)

「Compose Glance」ウィジェットのプレビュー

 「Jetpack Compose Glance」ウィジェットをIDE内で直接簡単にプレビューできるようになった。マルチプレビューを使用して、標準的なウィジェットサイズと設計されたウィジェットのブレークポイント(サンプルコード)でプレビューすることもできる。

Compose Glanceウィジェットのプレビュー(提供:Google)

ライブ編集(Compose UI)

 ライブ編集が「手動モード」ではデフォルト(初期設定)で有効になり、安定性が向上し、import文のサポートを含めて変更検出が強化された。

デバッグ

USBケーブルの速度検出

 Android Studioは、より高速なUSBケーブルでAndroidデバイスを接続できる場合、デバイスの機能を活用するために接続をアップグレードすることを提案するようになった。

USB 2からUSB 3ケーブルへのアップグレードの提案(提供:Google)

デバイスUI設定のショートカット

 UI(ユーザーインタフェース)の構築とデバッグを支援するために、Android Studioの「Running Devices」ツールウィンドウに、デバイスの一般的なUI設定を簡単に変更できるショートカットボタンが導入された。API Level 33以上で利用できる。

エミュレータのPixel 8aサポート

 Androidエミュレータ(35.1+)が安定版チャネルでPixel 8aをサポートするようになり、物理デバイスを必要とせずに、より多くのPixelデバイスでアプリをテストできるようになった。

エミュレータでのPixel 8a(提供:Google)

最適化

タスク中心のアプローチによるプロファイラの高速化、改良

 プロファイリング可能なアプリで一般的なパフォーマンス最適化タスク(システムトレースのキャプチャーのような)の起動が最大60%速くなった(Google社内比)。プロファイラのタスク中心の再設計により、アプリのCPU、メモリ、電力使用量のプロファイリングなど、興味のあるタスクを簡単に開始できるようになった。

品質の向上

 Android Studioの全体的な品質と安定性も引き続き向上している。Android Studioチームは、Koala Feature Dropの開発サイクルで520以上のバグに対処した。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

スポンサーからのお知らせPR

注目のテーマ

Microsoft & Windows最前線2025
AI for エンジニアリング
ローコード/ノーコード セントラル by @IT - ITエンジニアがビジネスの中心で活躍する組織へ
Cloud Native Central by @IT - スケーラブルな能力を組織に
システム開発ノウハウ 【発注ナビ】PR
あなたにおすすめの記事PR

RSSについて

アイティメディアIDについて

メールマガジン登録

@ITのメールマガジンは、 もちろん、すべて無料です。ぜひメールマガジンをご購読ください。