IDCが発表した世界のITインフラ支出動向によると、2024年第2四半期のクラウドインフラ支出は前年同期比61.5%増の429億ドル、非クラウドインフラ支出は41.4%増の194億ドルとなった。
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調査会社IDCは2024年9月30日(米国時間)、2024年第2四半期の世界のITインフラハードウェア支出動向を発表した。
IDCはITインフラハードウェア支出を以下のように分類して報告している。クラウドインフラ支出と非クラウドインフラ支出の合計がITインフラハードウェア支出(以下、インフラ支出)だ。
IDCは上記の専用クラウドと共有クラウドを以下のように定義している。
2024年第2四半期のクラウドインフラ支出は、前年同期比61.5%増の429億ドルとなり、非クラウドインフラ支出は同41.4%増の194億ドルとなった。
クラウドインフラの台数ベースの需要は、平均販売価格(ASP)の継続的な上昇を背景に17.7%増にとどまった。ASPの継続的な上昇は、主にGPUサーバ出荷の急激な増加に関連している。
「クラウドインフラ支出の増加は、引き続きAI関連投資の増加にけん引されている。この投資は特にサーバに影響を与えたが、エンタープライズストレージ支出にも波及した」と、IDCのリサーチディレクターを務めるフアン・パブロ・セミナラ氏は説明した。
「ハイパースケーラー、デジタルサービスプロバイダー、主要クラウドサービスプロバイダーが、クラウドインフラ支出の増加のけん引役となっている。2024年から2025年にかけても市場にプラスの影響を与え続けるだろう。また、経済の見通しが良くなれば、明るいムードがさらに広がりそうだ」(セミナラ氏)
2024年第2四半期の共有クラウドインフラ支出は353億ドルに達し、前年同期比で74.9%増えた。クラウド支出全体に占める割合は56.6%となった。
専用クラウドインフラ支出は76億ドルとなり、前年同期比19.2%増にとどまった。
IDCは、2024年通年のインフラ支出について、次のような見通しを示した。
IDCは2024年6月末時点と比べて、この4項目全ての予測を上方修正した。
IDCは、さまざまなサービスプロバイダーと非サービスプロバイダーのインフラ支出も追跡している。サービスプロバイダーには、クラウドサービスプロバイダー、デジタルサービスプロバイダー、通信サービスプロバイダー、ハイパースケーラー、マネージドサービスプロバイダーが含まれる。非サービスプロバイダーには、企業、政府機関などが含まれる。
2024年第2四半期のサービスプロバイダーのインフラ支出は、前年同期比64.2%増の418億ドルとなり、インフラ支出全体の67.2%を占めた。
非サービスプロバイダーのインフラ支出は、同38.2%増の205億ドル。IDCは、サービスプロバイダーの2024年通年のインフラ支出が1578億ドルに達し、前年比で49.4%増加すると予測している。
2024年第2四半期のクラウドインフラ支出を地域別に見ると、ほぼ全ての地域が2桁以上の増加を示した。伸び率が大きかった地域の上位は、アジア太平洋地域(日本と中国を除く)が前年同期比110.7%増、日本が98.1%増、米国が72.1%増、カナダが53.8%増となった。
中・東欧、西欧、中国、中東・アフリカ、中南米も、それぞれ48.7%増、27.7%増、24.8%増、23.4%増、9.7%増だった。
IDCは、2023〜2028年における世界のインフラ支出を以下のように予測している。
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