ギークスは、2024年7〜9月の案件倍率をまとめた「ギークス案件倍率レポート」を発表した。案件数と、案件を探すフリーランスのどちらも2023年同期より増加していた。
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ギークスは2024年11月7日、同年7〜9月の案件倍率をまとめた「ギークス案件倍率レポート」を発表した。ここで言う案件倍率とは、案件を探すフリーランスの人数に対する案件数の割合のこと。2024年7月は9.27倍、8月は10.36倍、9月は9.43倍で、四半期(7〜9月)累計では9.66倍だった。
レポートによると前四半期と同様、案件数と案件を探すフリーランスのどちらも2023年同期よりも増加していた。
案件数の対2023年同月比の増加率は、7月が25%増、8月が11%増、9月が横ばい(0%)。ギークスは「基幹システムの刷新やリプレース、業務効率化のための自社ツールやデータの分析など、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進に伴う案件が増加した。組織やプロジェクトの管理に知見があるプロジェクトマネジャーのスキルを持つ人材の需要が高まっている」と分析している。なお、プログラミング言語別のスキルでは「Java」「TypeScript」の需要が高く、「PHP」「Python」も人気を集めている。
同社は最近の傾向について次のように話す。
「生成AI(人工知能)に関心を持つITフリーランスが多く、ツールとしてAIを導入している企業はITフリーランスからの人気が高い傾向にある。フルリモートワークやハイブリッドワークでの参画を受け入れる企業は、引き続きITフリーランスからの人気を集めている一方で、多様な働き方を許容するからこそ、企業の採用ハードルも高まっており、スキル以外のコミュニケーション能力や自発性を重視する企業が増えてきている」(ギークス)
案件を探すフリーランスの対2023年同月比増加率は、7月が40%増、8月が12%増、9月が16%増だった。ギークスによると、2024年11月に施行された「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(フリーランス・事業者間取引適正化等法。いわゆる「フリーランス保護新法」)による後押しがあり、フリーランスという働き方を検討するエンジニアが増えているという。
2024年10〜12月については、2025年1月以降開始の案件に向けてIT人材の確保に動き出す企業が増えることから、案件数と案件を探すフリーランスのどちらも「10月後半から11月にかけて増加する」と同社は予測している。
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