World Wide Web Consortiumは、Sustainable Web Interest Groupの設置を発表した。Webが全ての人々と地球のためによりよく機能するように、デジタル持続可能性を向上させることを目的としている。
この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。
World Wide Web Consortium(W3C)は2024年11月4日(米国時間)、「Sustainable Web Interest Group」(Sustainable Web IG)の設置を発表した。Sustainable Web IGのミッションは、Webが全ての人々と地球のためによりよく機能するように、デジタル持続可能性を向上させることだとしている。
W3Cは、Sustainable Web IGの設置の背景にある認識を次のように述べている。「デジタル産業は世界の二酸化炭素排出量の2〜5%を占めており、これは航空産業よりも多い。もしインターネットが国であれば、排出量の上位5カ国に入るだろう。デジタル産業が必要とする水、エネルギー、鉱物の量は年々増加し、しばしば発展途上国の経済に負担を強いている」
Sustainable Web IGは、「Web Sustainability Guidelines」(WSG:Web持続可能性ガイドライン)を発行する。Sustainable Web Design Community Groupが、この一連のガイドラインと関連資料のドラフトを作成した。
WSGは、人と地球を第一に考えたデジタル製品およびサービスの設計方法と実装方法を説明するものだ。測定可能でエビデンス(証拠)のある研究に基づくベストプラクティスであり、エンドユーザー、Webワーカー、ステークホルダー、ツール作成者、教育者、政策立案者を対象としている。「Sustainable Web Manifesto」に沿っており、国際的な標準化団体GRI(Global Reporting Initiative)のGRIスタンダードおよび国連の持続可能な開発目標(SDGs)と整合性がある。このWSGにより、人々はインターネットが持続可能性報告に与える影響をよりよく理解できるようになる。
Sustainable Web IGはWSGの発行に加え、コンプライアンス目標の改善に向けて規制機関と連携することも計画している。Sustainable Web IGの元となったコミュニティーグループのメンバーは、多くの組織との間で、オープンな議論の土台となる良好な関係を築いている。
さらにSustainable Web IGは、測定可能性の向上にも取り組む。これは持続可能性についてのより正確な情報の作成や、WSGを実装するための教材制作に役立つとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.