カーボンニュートラルやネットゼロに注力する企業は多い。この取り組みの中で注目せざるを得ないのが、ITのサステナビリティだ。IT関連のエネルギー消費が急増を続ける中、企業が持続可能なITを実現することの重要性は、今後ますます高まる。
この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。
米半導体業界の研究コンソーシアムSemiconductor Research Corporation(SRC)と国際エネルギー機関(IEA:International Energy Agency)によると、企業がデジタルビジネスへの取り組みを開始した2010年代初頭には、ICTは世界のエネルギー需要の0.1%しか占めていなかった。だが、2030年には、AIやデバイス、データ、半導体、センサーの急速な利用拡大など、さまざまな理由により、この割合は6.4%に上昇する見通しだ。
デジタルトランスフォーメーション(DX)戦略では、環境への影響は見過ごされがちだ。だが、企業がネットゼロ(※)目標を達成するためには、持続可能なITが不可欠だ。温室効果ガス(GHG)排出量、水資源、廃棄物、生物多様性に対する企業活動の悪影響を軽減するからだ。
インフラとオペレーション(I&O)のリーダーが自社の持続可能性目標の達成に貢献するには、持続可能なITのロードマップが必要になる。I&Oリーダーは、2020年代にネットゼロを達成することはできないだろうが、現在研究開発が行われている技術は、2030年代にネットゼロへの進捗(しんちょく)を加速させるのに役立つだろう。
企業の課題は、環境持続可能性目標の達成に向けて「カーブを曲げる」ことだ。IT関連のGHG排出量は増加し続けているが、これを削減する必要がある。
IT関連のGHG排出量とその増加の現状を評価することが、良い出発点になる。これに基づき、I&Oリーダーは、データセンターやクラウド、デジタルワークプレースを含む持続可能なITへの道筋を定めるとともに、データとソフトウェアに関する持続可能な意思決定への影響力を確保する計画を立てる必要がある。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.