「Go」が過去最高の7位に返り咲き、独走続く「Python」 2024年11月版プログラミング言語人気ランキング「Fortran」も8位に浮上

プログラミング言語の人気ランキング「TIOBEインデックス」の2024年11月版が公開された。首位の「Python」が4カ月連続で同言語として過去最高のレーティングを更新し、2位の「C++」とのポイント差でも2カ月連続で過去最大を更新した。「Go」が2024年7月以来の7位に返り咲いた。

» 2024年11月14日 08時00分 公開
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 ソフトウェア品質の評価と追跡を手掛けるTIOBE Softwareは、2024年11月版の「TIOBEプログラミングコミュニティーインデックス」(通称「TIOBEインデックス」)を発表した。TIOBEインデックスは、プログラミング言語の人気を示す指標で、同社が毎月1回更新している。

Pythonがさらにリードを拡大、独走続く

 2024年11月のランキングでは、「Python」が22.85%のレーティングで首位を維持し、8月以来4カ月連続で同言語として過去最高のレーティングを更新した。TIOBEインデックスで過去最高のレーティングは、「Java」が2001年6月に記録した26.49%だが、これにはまだかなりの開きがある。

 2024年11月のランキング2位は「C++」(10.64%)で、同年6月に「C」を抜いて史上初めて2位となって以来、6カ月連続となった。

 ただし、7月以降、PythonとC++のレーティング差は拡大する一方だ。11月は12.21ポイント差に広がり、10月に続いてTIOBEインデックス史上最大のポイント差を更新した。

 9月にCを抜いて16カ月ぶりに3位に返り咲いたJavaは、3カ月連続でこの順位を維持し(9.60%)、Cは同じく3カ月連続の4位となった(9.01%)。Cの4位は、同言語として過去最低の順位だ。

 5位は「C#」(4.98%)、6位は「JavaScript」(3.71%)で、この2つは2023年7月から順位の変動がない。

 また、「Go」が過去最高の7位に返り咲き(2024年7月以来)、2024年4月に20年以上ぶりにトップ10に入った「Fortran」も、10月から1つ順位を上げて8位につけた。2023年からトップ20に定着し、順位を上げてきた「Rust」は、10月に過去最高の13位を占めたものの、11月は14位となった。

 上位20言語のレーティングの前年同月との変動を見ると、Pythonが8.69ポイント増と突出した伸びを示し、上昇幅が1ポイントを超えたのは、他にはJava(1.26ポイント増)、Go(1.16ポイント増)のみだった。

トップ10に定着したGo、さらに順位を上げるか

 TIOBE Software CEOのポール・ジャンセン氏は、2024年2月からトップ10に定着し、11月に過去最高順位に返り咲いたGoについて、次のように指摘している。「トップ10の言語におけるGoのユニークさは、Goプログラムが高速で容易に展開できる一方で、Go言語は習得しやすいことにある。例えばPythonは、習得しやすいが高速ではなく、大規模なPythonプログラムの展開は、一筋縄ではいかない。環境内のさまざまなライブラリとそのバージョンに依存しているからだ。また、Goと同じく上昇基調にあるRustと比べて、Goはほんの少し遅いが、Goプログラムははるかに理解しやすい」

 さらにジャンセン氏は、TIOBEインデックスでのGoの今後のランキングについて、次のような見通しを示している。「TIOBEインデックスにおけるGoの次のハードルは、6位のJavaScriptだ。JavaScriptを抜くのは難しいだろう。JavaScriptはソフトウェア開発で幅広く使われているからだ。もっとも、大規模なJavaScriptシステムでは、最近はTypeScriptへの移行が見られる。このトレンドが続いていけば、Goは3年以内にJavaScriptを追い抜きそうだ」

TIOBEインデックス(2024年11月版)の1〜20位(提供:TIOBE Software)

TIOBEインデックス1〜10位の推移(提供:TIOBE Software)

 TIOBE Softwareは21〜50位のランキングも公開している。

TIOBEインデックス(2024年11月版)の21〜50位(提供:TIOBE Software)

 51〜100位のプログラミング言語については、順位の差が比較的小さいとして、次のようにアルファベット順に列挙している。

 「ABC」「ActionScript」「Algol」「Apex」「APL」「Bash」「Carbon」「CFML」「CHILL」「CLIPS」「Clojure」「CLU」「Crystal」「Curl」「DiBOL」「Eiffel」「Elm」「Forth」「Groovy」「Hack」「Icon」「Inform」「Io」「J」「JScript」「JScript.NET」「LabVIEW」「Ladder Logic」「ML」「Modula-2」「MQL5」「NATURAL」「OCaml」「Occam」「OpenCL」「Pascal」「PL/I」「Q」「Ring」「S」「Scheme」「Smalltalk」「SPARK」「Stata」「SystemVerilog」「Tcl」「VHDL」「Wolfram」「X++」「Zig」

TIOBEインデックスは言語の優劣を示すものではない

 TIOBEインデックスの評価は、世界中の熟練エンジニアや学習コース、サードパーティーベンダーの数に基づいて算出されている。算出にはGoogle、Amazon.com、Wikipedia、Bing、その他20以上の人気Webサイトが使われている。

 なお、TIOBEインデックスは、「どのプログラミング言語が優れているか」「どの言語で書かれたコードの行数が多いか」を示すものではないと、TIOBE Softwareは説明している。

 同社はTIOBEインデックスの使い方として、「自分のプログラミングスキルが時流に合っているかどうかチェックする」「新しいソフトウェアシステムを作り始めるに当たって、どのプログラミング言語を採用するかの戦略的判断に役立てる」といった例を挙げている。

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