プログラミング言語の人気ランキング「TIOBEインデックス」の2024年8月版が公開された。首位のPythonが18%超の高レーティングを獲得し、2位のC++に記録的な大差をつけた。
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ソフトウェア品質の評価と追跡を手掛けるTIOBE Softwareは、2024年8月版の「TIOBEプログラミングコミュニティーインデックス」(通称「TIOBEインデックス」)を発表した。TIOBEインデックスは、プログラミング言語の人気を示す指標で、同社が毎月1回更新している。
2024年8月のランキングでは、「Python」が18.04%のレーティングで首位を維持した。Pythonのレーティングが18%を超えたのは今回が初めてだ。
6月に「C」を抜いて史上初めて2位となった「C++」が3カ月連続で2位を占め(10.04%)、Cは9.17%で3位となった。Pythonと2位のC++の差は8.00ポイントにまで広がった。
4〜6位は2023年7月以降、順位変動がなく、「Java」(9.16%)、「C#」(6.39%)、「JavaScript」(3.91%)と続いた。
上位20言語のレーティングの前年同月との変動を見ると、Pythonが4.71ポイント増と突出して上昇している。次に大きく上昇したのは、「Go」(0.87ポイント増)だった。レーティングの2〜5位を占めたC++、C、Java、C#はいずれも下落している。
TIOBE Software CEOのポール・ジャンセン氏は、Pythonが高レーティングを記録し、2位との差を大きく広げたことを受け、Javaが記録した史上最高値を引き合いに出した。それによると、Javaは2001年6月、TIOBEインデックスで過去最高の26.49%というレーティングを記録した。また2016年11月には、2位のCに同じく過去最大の9.55ポイント差をつけた。TIOBEインデックスで18%を超えるレーティングを前回記録したのは、このときのJavaだった。
Pythonの現在の覇権は揺るぎないものであり、次のステップは、史上最も人気のあるプログラミング言語になることだろうと、ジャンセン氏は述べている。では、近いうちにPythonに迫ると予想される新しい言語はあるだろうか。ジャンセン氏は、「候補になりそうなのは『Rust』と『Kotlin』だが、いずれもTIOBEインデックスのトップ10に急速に近づいているものの、Pythonの真の脅威となるには、かなりの時間がかかるだろう」との見方を示している。
TIOBE Softwareは21〜50位のランキングも公開している。
51〜100位のプログラミング言語については、順位の差が比較的小さいとして、次のようにアルファベット順に列挙している。
「4th Dimension/4D」「ABC」「ActionScript」「Algol」「Apex」「APL」「AutoLISP」「Caml」「CFML」「CHILL」「CLIPS」「Clojure」「Crystal」「Curl」「DiBOL」「Elm」「Erlang」「F#」「Forth」「Groovy」「Hack」「Icon」「Inform」「Io」「J」「JScript」「LabVIEW」「Ladder Logic」「Maple」「Modula-2」「Mojo」「NATURAL」「Nim」「OCaml」「Occam」「OpenCL」「OpenEdge ABL」「PILOT」「PL/I」「PostScript」「Q」「Racket」「Ring」「S」「Scheme」「Smalltalk」「SPARK」「Stata」「VHDL」「X++」
TIOBEインデックスの評価は、世界中の熟練エンジニアや学習コース、サードパーティーベンダーの数に基づいて算出されている。算出にはGoogle、Amazon.com、Wikipedia、Bing、その他20以上の人気Webサイトが使われている。
なお、TIOBEインデックスは、「どのプログラミング言語が優れているか」「どの言語で書かれたコードの行数が多いか」を示すものではないと、TIOBE Softwareは説明している。
同社はTIOBEインデックスの使い方として、「自分のプログラミングスキルが時流に合っているかどうかチェックする」「新しいソフトウェアシステムを作り始めるに当たって、どのプログラミング言語を採用するかの戦略的判断に役立てる」といった例を挙げている。
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