変革しなければ企業の未来は消滅？ ガートナーが2025年に向けて獲得すべきマインドセットを発表：AI共生時代に最も危険なのは「人が考えないこと」

ガートナージャパンは、「2025年に向けて獲得すべきマインドセット」を発表した。歴史的な時代変化の中で、テクノロジーを駆使できる企業とそうでない企業の二極化が進むため、企業は生き残りをかけて新たなマインドセットを習得すべきだとしている。

[＠IT]

　ガートナージャパンは2024年12月4日、「2025年に向けて獲得すべきマインドセット」を発表した。

　同社の亦賀忠明氏（ディスティングイッシュトバイスプレジデント　アナリスト）は「かつてない歴史的な時代変化が訪れている中、テクノロジーを駆使できる企業、組織、人と、そうでない人たちに二極化する。この時代に生き残るためには、新たなマインドセットを獲得し、この新たな産業革命をリードする必要がある」と指摘する。

プレスリリースから引用

ガートナージャパンが提言する14項目のマインドセット

　同社は、2025年に向けて獲得すべき14項目のマインドセットを挙げた。本稿では代表的なものとして3つを取り上げる。

江戸時代からNew Worldへ

　ガートナージャパンは「時代は江戸が明治になった程の大転換期にある」と指摘。これからは、従来の時代がなくなることを想定し、企業は過去の延長的なスタイルと決別する必要があるとしている。

「うちは大丈夫」から「真剣勝負」へ

　現在世界で起きているデジタルによるビジネス競争について、「うちは大丈夫」「うちは関係ない」と状況を軽く見る企業が多く見られるとガートナージャパンは指摘する。同社は、こうした姿勢は競争に負けるべくして負けるパターンであり、今の戦況、敵の戦い方を真剣に把握し、将来の競争への備えを確実に実施する必要があるとしている。

「人間だけ」から「AIとの共生」へ

　ガートナージャパンによると、2030年には企業の70％で「さらに能力の高いAI（人工知能）」が当たり前に使われるようになるという。同社は、こうしたAI共生時代に最も危険なことは「人が考えないこと」だとしており、人間は、AIに職を奪われないよう、機械にできることは機械にやらせ、自分で考え学習する「人間力」を高めることが重要だとしている。

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　亦賀氏は、「デジタルの時代とは、デジタルによって人間力が増幅される時代だ。この原理をうまく理解し実践できた企業が生き残れる。そうでない企業は、衰退、消滅していく可能性がある。2025年に向けて、日本企業は一刻も早くこれに気付き対応を加速させる必要がある」と述べている。