ブラウザ上の仮想マシンでLinuxデスクトップやGUIアプリを実行できる「WebVM 2.0」公開 技術的改善点は?ストレージや仮想VPNもサポート

HTML5/WebAssemblyソリューションを提供するLeaning Technologiesは、ブラウザ上で仮想マシンを実行できる「WebVM」の最新版となる「WebVM 2.0」を発表した。

» 2024年12月12日 08時00分 公開
[@IT]

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 HTML5/WebAssemblyソリューションを提供するLeaning Technologiesは2024年11月13日(英国時間)、ブラウザ上で仮想マシン(VM)を実行できる「WebVM」の最新版となる「WebVM 2.0」を公開した。

 WebVMは、モバイルブラウザを含む最新ブラウザ上でLinuxの仮想マシン(VM)実行をサポートするフリーオープンソースソフトウェア(FOSS)だ。同社のWebAssemblyベースのx86仮想化エンジン「CheerpX」を基盤としている。

WebVMのアーキテクチャ(提供:Leaning Technologies) WebVMのアーキテクチャ(提供:Leaning Technologies)

 Leaning Technologiesは、WebVM 2.0における主な改善点を次のように説明している。

WebVM 2.0における改善点

Xサーバおよび完全なデスクトップ環境のサポート

 WebVM 2.0では「Xサーバ(X Window System)」のサポートが追加され、Linuxデスクトップ環境を実行可能になった。現在は、モバイルデバイスでの快適な動作をサポートするため、「i3 Window Manager」を適用しているという。

GUIアプリケーションのシームレスな実行

 CheerpXがKMS(Kernel Mode Setting) APIをサポートし、GUIアプリケーションをシームレスに実行、表示できるようになった。現在は2Dレンダリングに対応しており、将来的には「WebGPU」を通じて3Dサポートを進める計画だ。

WebVM 2.0でマインスイーパーを実行(提供:Leaning Technologies) WebVM 2.0でマインスイーパーを実行(提供:Leaning Technologies)

ストレージ、永続的キャッシュのサポート

 WebVMでは、「Cloudflare Workers」と「IndexedDB」を組み合わせることでルートファイルシステムをエミュレートしている。具体的には、WebSocketsを使用して128KBのディスクブロックをCloudflare Workersからダウンロードする。ダウンロードされたデータや、変更されたデータはブラウザ上のIndexedDBに保存される。これにより、初期ダウンロード時間を短縮したり、データの永続性を確保したりしているという。

仮想VPNのサポート

 VPNサービス「Tailscale」との統合により、ユーザーが数クリックで仮想VPNに接続できるようになった。TailscaleのDERP(Designated Encrypted Relay for Packets)サーバを使用して、制約のあるネットワーク環境からでも接続できるという。

 WebVM 2.0はhttps://webvm.io/alpine.htmlにアクセスして試すことができる。

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