プログラミング言語「Go」の開発チームは、「2024年下半期Go開発者調査」の結果を発表した。
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プログラミング言語「Go」の開発チームは2024年12月20日(米国時間)、「2024年下半期Go開発者調査」の結果を発表した。Goに対する満足度、開発環境とツール、クラウドやAI(人工知能)アシスタントの利用、Goを使用するチームの課題に関するアンケート結果を発表している。
GoチームはGo開発者調査を年に1〜2回実施している。2024年下半期Go開発者調査は2024年9月に行われ、4156件の回答を得た。前回調査は2024年1〜2月に行われた。
Goチームは、幅広いスキルレベルの開発者のニーズに応えるサービスの提供を目指し、さまざまなコンテキストや経験レベルでGoがどう使用されているか洞察を得る目的で、Go開発者調査を実施している。今回の調査は、GoやGoツールの使用感や課題を把握することに加え、開発の苦労の原因や、ベストプラクティスを実行する上での課題、開発者によるAIアシスタントの利用法を明らかにすることに主眼を置いて行われた。
調査結果のハイライトは以下の通り。
全体的な満足度は従来と同様に高く、回答者の93%が、過去1年間にGoを使用して「やや満足している」または「非常に満足している」と答えている。数字は若干変動しているが、2023年下半期調査、2024年上半期調査との統計的な有意差は見られなかった。
アンケートで寄せられた自由回答では、Goを使う上で最も気に入っている点として、これまでと同様に「Goのシンプルさ」「Goツールチェーン」「後方互換性」が挙げられている。
Goプログラムのデプロイ(展開)に最もよく利用されているクラウドサービスは、Amazon Web Services(AWS)の「Amazon Elastic Kubernetes Service」(Amazon EKS)(41%)、「Amazon Elastic Compute Cloud」(Amazon EC2)(39%)、Google Cloudの「Google Kubernetes Engine」(GKE)(29%)だった。
最もよく利用されている上位3つのクラウドプロバイダーであるAWS、Google Cloud、Microsoft Azureの利用者に、各クラウドプロバイダーのサービスでGoを使用する上で最も気に入っている点を尋ねたところ、回答が多かったのは、「Goのパフォーマンスと言語機能」「プロバイダーに精通している」「Goアプリケーションをデプロイしやすい」「GoのAPI/SDKが使いやすい」「GoのAPI/SDKがよく文書化されている」だった。
回答者の70%が、Goで開発する際にAIアシスタントを利用している。AIアシスタントの最も一般的な利用法は、「大規模言語モデル(LLM)ベースのコード補完」だ(35%)。他の一般的な利用法としては、「テストの作成」(29%)、「自然言語記述からのGoコードの生成」(27%)、「アイデアのブレーンストーミング」(25%)などがある。一方、「過去1カ月間にLLMによる支援を利用していない」という回答者も30%に達した。
Goを使用するチームの最大の課題として挙げられたのは、「コードベース全体で一貫したコーディング標準を維持すること」(58%)だ。これに次いで大きな課題として挙げられたのは、「運用中のGoプログラムにおけるパフォーマンスの問題を特定すること」(58%)、「運用中のGoプログラムにおけるリソース使用の非効率性を特定すること」(57%)だった。
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