「柔軟性」か「イノベーション」か スタートアップの開発者が陥るチームワークの落とし穴とは開発者個人は圧倒的にチームワークと適応力を重視

SlashDataは2025年2月6日(米国時間)、開発者向け調査「State of Developer Nation」の中から、スタートアップ企業における「開発者と開発現場のチームワーク」に関する調査結果を公開した。

» 2025年02月27日 08時00分 公開
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 SlashDataは2025年2月6日(米国時間)、開発者向け調査「State of Developer Nation」の中から、スタートアップ企業における「開発者と開発現場のチームワーク」に関する調査結果をブログエントリで紹介した。同社は以下のように説明している。

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開発者がチームについて考えていること

 優れたソフトウェア開発には強固なチームが不可欠だが、開発者は自分たちのチームについてどのように考えているのか。本調査では、開発者のチームに対する認識を深掘りすることで、興味深い結果を得ることができた。

スタートアップ企業の開発者は圧倒的にチームワークと適応力を重視

 開発者が最も重視するのは「チームワーク」と「適応力」だ。開発者の78%が「チームの一体感を強く感じる」と回答し、77%が「チーム内のコミュニケーションは効率的で透明性が高い」と評価している。こうした高いレベルの協力体制によって、開発者は複雑な課題に対応しやすくなり、複数の技術を扱うことが可能となる。実際に、78%の開発者が「複数の技術を日常的に活用している」と答えている。

チームは柔軟だが、イノベーションは必ずしも活発ではない

 開発者の76%は「チームが優先事項の変化に素早く適応している」と考えているが、「チームがイノベーションに積極的だ」と回答した開発者は72%とやや少なかった。これは、多くのチームが機敏に動けている(アジャイル的な動きができている)ものの、“可能性の限界”に常に挑戦しているわけではないことを示している。

 つまり、チームワークは良く、柔軟性も高いが、組織の階層構造に課題があるということだ。調査結果によると「チーム内の役割や境界が明確に定義されている」と答えた開発者は58%となっており、多くの開発チームがフラットまたは流動的な組織構造で機能していることが分かる。これは柔軟性の面では強みと言えるが、同時に課題にもなり得る。

画像 開発者は協力的かつ適応力の高い環境で働いているが、「イノベーションの活発さ」や「組織の階層構造」についての認識にはばらつきがある(提供:SlashData)

スタートアップで働く技術者のプロファイリング

 調査ではスタートアップと既存企業(つまり、既にビジネスモデルが確立された企業)の収益源についても調べている。

 スタートアップは、収益を生み出すために多様な手法を採用している。調査結果によると、その中でも「受託開発、リサーチ、コンサルティング」が最も多く、24%だった。これは、専門的な知識やスキルに対するスタートアップへの需要が高いことを示している。その他の収益源としては「アプリストアや自社ポータルを通じたソフトウェア/ソリューションの販売」(23%)や「サブスクリプション」(21%)などが挙がっており、デジタル製品や継続的な収益モデルの重要性が増していることが分かる。

画像 スタートアップと既存企業の収益源(提供:SlashData)

 この結果から分かるのは、スタートアップはアプリケーション内購入、オンラインコマース、さらには物理的な製品販売にまで収益源を広げており、新しいマネタイズ手法に積極的に挑戦しているということだ。

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