「人生は1回しかない」という言葉がありますが、生き方そのものはいくらでもあると思うのです。
グローバルに活躍するエンジニアを紹介する本連載。今回も4th.aiでロボティクスとAI(人工知能)の開発研究に携わっているPatrick BAYIM(パトリック・バイム)さんにお話を伺う。フランス語と英語で学び育ったパトリックさんは、あえて未知の言語「日本語」で勉強する道を選ぶ。
聞き手は、AppleやDisneyなどの外資系企業でマーケティングを担当し、グローバルでのビジネス展開に深い知見を持つ阿部川“Go”久広。
阿部川“Go”久広(以下、阿部川) なぜ来日することになったのですか。
Patrick BAYIM(パトリック・バイム、以下パトリックさん) 大学生の時に、日本への派遣をあっせんする団体から成績優秀ということで表彰され、奨学金をもらいながら日本に行く機会をオファーされました。ただそれは、6カ月間日本語を勉強し、その成績によって奨学金を与えるかどうか判断するというものでした。
当時、それ以外の国のことも考えていました。一つはカナダ、もう一つはモロッコです。しかしカナダもモロッコもフランス語圏なので、どちらも私にとって快適過ぎる、別の言葉で言えばチャレンジのない生活となります。
日本は子どもの頃からアニメで親しんだ国です。とはいえ日本のことは言語も文化も何も知らない。ならば日本に行って新しいことを学ぼうと思いました。そこで6カ月日本語を勉強し、どうにか合格しました。
阿部川 なるほど。でも言うのは簡単ですが、実際はなかなか難しいですよね。
パトリックさん そうですね。実は海外も日本が初めてでしたし、平仮名や片仮名も全く知りませんでした。ただやはりアニメで、日本語のパターンみたいなものは分かっていました。
阿部川 今は、どうですか。
パトリックさん はい。(ここから素晴らしく流ちょうな日本語で)日本語はある程度話せます。まあ、専門用語が出てくると頭がパンクすることはありますが。
阿部川 うわー、完璧な日本語です、すごいですね。そこまで話せれば何でもできるでしょう! 仕事でも日本語ですか。
パトリックさん たいてい日本語です。ただわが社はグローバル企業を目指していますので、エンジニア同士は英語でも会話もします。またクライアントが日本企業の場合は日本語ですが、外資系企業であれば英語でコミュニケーションします。
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