ランサーズは「フリーランス実態調査 2024年」を発表した。フリーランス市場は長期的に成長を続けているものの、収入への不満や生成AI活用の遅れ、社会保障の未整備といった課題があることが分かった。
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ランサーズは2025年3月24日、「フリーランス実態調査 2024年」を発表した。この調査は2024年1~12月の間で業務の対価報酬を得た全国の20~69歳の男女に実施し、2929人から有効回答を得た。同調査からは、フリーランス市場が10年間で約40%成長していることや、2024年のフリーランスに関する経済の規模が20兆円を超えていることなどが明らかになった。
調査結果によると、2024年のフリーランス人口は1303万人、経済規模は20兆3200億円だった。10年前と比べると、フリーランス人口は39.1ポイント、経済規模は38.8ポイント増えた。2024年の日本の労働力人口に占めるフリーランスの割合は18.8%で、この10年間で約32.4ポイント増加している。
フリーランスの年収を見ると、99万円以下は73.1%、10万円未満は37.6%。企業に所属し、本業で安定した収入を得ている人が多い副業系、複業系ワーカーは「自身が希望する収入水準でフリーランスとして活動している人が多いようで、収入が少ない傾向にある」とランサーズは指摘。ただし、フリーランス収入に「満足している」と回答した人の割合は32.0%で、満足感を得られていない人が多い。同社は「満足度が低い理由として『単価への不満』と『スキルアップへの意欲』といった2つの要因がある」と分析している。
今後学びたいスキルでは、20~30歳代はプログラミングやWebデザイン、40歳代以降は生成AI(人工知能)や外国語が上位に挙がった。生成AIの利用については「言語生成AI」の活用率は28.7%、「画像生成AI」は17.6%、「動画生成AI」は13.2%だった。一方、「生成AIを活用していないし、興味もない」と回答した人が約半数を占めており、生成AI活用への関心は低いことが分かった。
将来の展望について聞くと、全ての年代で「年金だけでは生活が難しい」「老後の生活費の不足」といった金銭面の課題が上位を占めた。また、20~30歳代はスキル習得に前向きなど成長志向が強く現れており、40歳代以降は「70歳を過ぎても働きたい」という意識が高かった。
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