SlashDataは、AIがソフトウェア開発に与える影響や、テクノロジーリーダーやソフトウェア開発者がAIのユースケースとして重視している分野を企業規模別、地域別に調査した結果を発表した。
この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。
SlashDataは2025年3月14日(米国時間)、AI(人工知能)がソフトウェア開発に与える影響に関する調査結果を発表した。同調査は、SlashDataが2024年第4四半期に実施した「Developer Nation Survey」で、4500人以上の技術専門家から収集したデータに基づいたものだ。
AIは、データ処理からコード生成まで幅広いユースケースで、現代のソフトウェア開発の世界を変えつつある。SlashDataは「この調査は、業界全体でAIの採用がどのように進展しているか、また組織的な背景によってどのように見解が分かれる可能性があるのかを示す手掛かりを提供するものだ」と述べている。
調査では、指導的な役割を担う技術専門家(テクノロジーリーダー)と、そうではない役割の人々(非リーダー職)の回答を比較した。
両グループとも、ソフトウェア開発におけるAIの将来的な最も重要なユースケースとして、インテリジェント開発アシスタントやデータ処理、分析、視覚化を挙げている。
またテクノロジーリーダーは、サイバーセキュリティの将来におけるAIの重要性について、非リーダー職よりも重視していた(リーダーの内、25%が重要と回答したのに対し、非リーダー職では20%)。その他、DevOpsのためのAI(22%対18%)や予測型プロジェクト管理(16%対13%)といった分野においてもAIの重要性を認識していた。
一方で、テクノロジーリーダーは、コード生成においてAIを重視する傾向が、非リーダー職よりも低かった。
企業規模別で見ると、大企業のテクノロジーリーダーは、最も重要なユースケースとしてサイバーセキュリティを挙げた(31%)。また、ソフトウェア開発におけるAIの重要性について、コード生成を重視する傾向も平均より高かった(35%)。
「企業規模別で見ると、インテリジェント開発アシスタントなどのユースケースの重要性はほとんど変わっていない。大企業か中小企業かを問わず、開発者は、AIが有用であると期待している。日常的なコーディング作業はAIに任せることで、開発者がより戦略的な役割を担い、大局的な視点に集中できるようになるだろう」(SlashData)
一方、中堅企業や小規模企業のテクノロジーリーダーは、サイバーセキュリティを挙げる傾向が低かった。
「企業が成長するにつれ、システムの攻撃対象も増え、より複雑なセキュリティ対策が必要になる。中小企業の場合、高度なサイバーセキュリティソリューションを優先する傾向が低いことがうかがえる」と、SlashDataは述べている。
地域別に見ると、欧州のテクノロジーリーダーはサイバーセキュリティを、近い将来のソフトウェア開発におけるAIの主要ユースケースの一つとして認識する割合が最も高かった(30%)。北米では26%、その他の地域では21%だった。
また欧州のテクノロジーリーダーは、他地域に比べて、アプリケーションにAI機能を追加することがAIの最重要ユースケースの一つになると信じる割合も高かった(25%)。バグ検出や修正を重要と考える割合も、他の地域のリーダーよりも高かった(27%対20%)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.