ノークリサーチは、AIエージェントに関する最新動向と今後の訴求策を発表した。アンケート調査の結果を分析したもので、同社は、AIエージェントの訴求はIT支出を増やそうと考えるユーザーに向けたドアノックツールになるとしている。
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ノークリサーチは2025年2月25日、AI(人工知能)エージェントに関する最新動向に関する資料を発表した。これは、企業で経営またはIT管理や運用に携わる人を対象に、2025年の業績とIT支出の見通しについて調査した結果を分析したもの。
ノークリサーチは、AIエージェントを「ユーザーとの自然な対話を通じて情報システムのタスクフローを実行または定義できるアプリケーション」と定義。AIエージェントはさらに「狭義のAIエージェント」と「広義のAIエージェント」に分類され、前者はタスクフローのみを自動実行するもので、後者はタスクフローに加えて定義も自動で実施するもの、という違いがある。
調査結果によると、「AIエージェントが2025年の業績やIT支出の増加の背景/要因になる」と考えている企業の割合は企業規模(年商)にかかわらず、「減少の背景/要因になる」と考えている企業よりも多かった。ノークリサーチはこの結果から、「SIer(システムインテグレーター)の立場で見たとき、AIエージェントへの関心が高いユーザー企業にアプローチすることは、IT支出を増やそうと考えるユーザー企業との出会いにつながる」と分析している。
ノークリサーチは調査結果についてベイジアンネットワーク分析(複数の変数間の確率的な因果関係や関連構造を視覚的に表現し、分析する手法)もしている。AIエージェントと関連深い項目を見ると「人材のリスキリング」を重視する割合が約5割、「現時点では判断できない」との回答が極めて少数という条件(つまり、企業の目指すべき方向が明らかになった状態)になると、「AIエージェントを重視する割合」が4.8%から13.2%に高まる。その結果、「IT内製化を重視する割合」も増加し、7.0%から12.1%に高まる結果となった。
ノークリサーチは、この分析結果を基に「狭義のAIエージェントは高い開発力が要求されるため広義のAIエージェントの方が多くなると予想されるものの、幅広いユーザー企業向けにタスクフローを個別に定義することはIT企業側の収益や労力のバランスを考えると難しい。そのため、ユーザー企業のリスキリングに焦点を当てて、ツールの助けを借りながら、自社で利用する製品やサービスのAPI連携を定義できるといったスキルを持つ社内人材を育成するのが望ましい」と述べている。
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