フロンティアは製造や医療など6業界の管理職1020人を対象に、AIエージェントの導入実態を調査した結果を明らかにした。
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ビジネスマッチングサービスを手掛けるフロンティアは2025年12月23日、「各業界におけるAIエージェント導入状況・理解度・活用レベル・課題・今後の展望」を発表した。
広告・情報通信サービス、機械・製造、食品・外食、教育、医療・ヘルスケア、金融など幅広い業界の経営層やDX(デジタルトランスフォーメーション)担当者ら1020人を対象にインターネット調査で実施した調査結果をまとめたものだ。
生成AI(人工知能)の普及に伴い、企業活動におけるAIの役割は業務支援ツールから、意思決定や顧客対応を担う「疑似メンバー」へと変化しつつある。こうした中、同調査では現場でのAIエージェントの捉え方や、人材としての評価、責任の所在に関して企業の姿勢が浮き彫りになったという。
所属企業でのAIエージェント導入状況を尋ねたところ、33.5%が「導入している」と回答。AIエージェントは注目度の高いテーマである半面、すでに導入済みの企業は限定的だった。
フロンティアは「導入にはシステム連携や業務設計、セキュリティ対応など複合的な検討が必要となるため、関心はあっても実行に移せていない企業が多い」と分析している。
AIエージェントが業務判断を誤った場合、主に誰が責任を負うべきかを尋ねたところ、「業務を任せた人(上司・管理者など)」(34.4%)が最多となった。続いて「ケース・バイ・ケースで判断すべき」(20.3%)、「AIエージェントの提供企業や開発元」(17.3%)となった。
「AIエージェントが業務判断に関与する場合でも、責任の所在を明確に人の側で定義すべきだという意識が強いことがうかがえる。特に『上司・管理者』が最多となったことから、AIの判断内容そのものではなく、活用方針を決定した立場が責任を負うべきだという考え方が共有されている」(フロンティア)
AIエージェントを導入済みの企業に、AIエージェントを部下として評価する際に重視する項目を聞いたところ、「正確性・ミスの少なさ」(45.9%)が最多で、「業務のスピード・生産性」(45.0%)、「自律性・判断力」(33.0%)と続いた。
「AIエージェントを単なる作業ツールではなく、思考や実務を補完する『判断を担う存在』として捉え始めている傾向を示している。今後は能力向上とともに、創造性や柔軟性といった定性的な評価軸の導入が進む可能性もある」(フロンティア)
今後AIエージェントに任せてもよいと考える業務範囲を尋ねた結果は、次の通り。
AIエージェントの将来像として、単なる作業代替にとどまらず、分析や改善提案といった判断補助領域への拡張を視野に入れている企業も多い。一方、経営判断や顧客対応など、人間による最終責任が伴う業務への委任までは進んでいない状況にある。
フロンティアは「『どこまでAIを信頼して任せてよいか』という境界線の見極めが導入拡大に向けた大きな論点となっている」とした。
AIエージェント導入による業務の変化を尋ねたところ、業界ごとに特徴的な傾向が見られた。主な業界別の変化は以下の通り。
全体としては、人の判断や専門性を置き換える存在というより、定型的な業務を下支えし、余力を生み出す役割として受け入れられている段階にあるといえる。一方、教育業界では「指示や管理の手間が増えた」という声が他業界より高く、AIを使いこなすには人間側の負担が増すケースもあることが示唆された。
今後、AIエージェントが組織で担うべき理想のポジションを尋ねたところ、「一般的なアシスタント・サポート役」(32.1%)が最多となった。続いて「専門性の高い助言役・アナリスト」(21.8%)、「プロジェクトマネジャー」(14.2%)となった。
企業はAIエージェントに過度な権限を与えるよりも、まずは業務を支える補佐的・協働的な役割を期待している。これは、AIを組織運営の中心に置くのではなく、生産性や判断精度を高める実務パートナーとして捉えていることを示している。
同時に、分析・管理能力を求める動きも見られるが、現時点では人の判断を補完する存在としての位置付けが強く、役割拡大は信頼の蓄積に伴って段階的に進むと考えられる。
未導入企業に導入の障壁を尋ねたところ、技術的課題よりも人材・組織面の準備不足が上位を占めた。
業界別の主な障壁は以下の通り。
多くの業界で「社内の理解不足」や「スキル不足」が上位に挙がっており、AIエージェントを使いこなす教育や体制整備が追い付いていない状況にある。
フロンティアは「『データ環境やセキュリティの課題』『導入コストやROI(投資利益率)が見えにくい』といった項目は企業において共通課題となっている。今後は、AI技術導入だけでなく、人材育成や組織文化を含めた包括的な変革が求められる」と結論付けている。
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