RationalFXは2025年の世界のテクノロジー業界における人員削減動向に関する調査結果を発表した。経済の不確実性やAI導入の加速により、全世界で合計24万4851人の雇用が削減されたという。
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RationalFXは2026年1月8日(英国時間)、TrueUpやTechCrunch、米国各州のWARNデータベース(Worker Adjustment and Retraining Notification Database)などの統計に基づき、2025年を通じて世界のテクノロジー企業で行われた人員削減(レイオフ)動向を調査した結果を明らかにした。
調査によると、2025年に全世界で削減されたテクノロジー職の従業員は24万4851人に上り、2022年のコロナ禍に伴う雇用調整から、引き続きレイオフの傾向が持続していることが明らかになったという。
RationalFXは「2025年は経済の不確実性や金利の高止まり、企業によるAI(人工知能)導入の加速などの要因が組み合わさり、世界中でテクノロジー職の雇用に大きなインパクトが及んだ」と分析している。
テクノロジー業界の人員削減の多くは、米国のテクノロジー企業によるものだ。米国に本社を置く企業の人員削減数は、世界全体の約69.7%を占め、国内外の事業で17万人以上の従業員がレイオフされている。
単独で最大のレイオフを実施したのは、Intelだ。2024年末時点で約10万9000人を雇用していた同社は、2025年末までに人員を約7万5000人に削減する計画を発表している。これは収益の減少や損失の拡大、競争の激化に苦しむ中で、全スタッフの31%にあたる約3万4000人のレイオフに相当する。
米国内の地域別では、カリフォルニア州が7万3499人の削減(国内全体の約43.08%)で首位となり、ワシントン州が4万2221人(同24.74%)で続いた。ニューヨーク州でも2025年の終わりにかけてレイオフが急増し、IBMによる9000人の削減などが影響して合計2万6900人が職を失った。
米国以外では、インドが世界で2番目に多かった。同国最大のITサービス企業であるTata Consultancy Services(TCS)は1万2000人の削減を発表し、インド全体のレイオフ数は2025年で1万9000人を超えた。
日本がこれに続き、合計1万1608人のレイオフが行われた。特に、収益性の向上と業務の効率化を目的としたパナソニックによる4%のレイオフ(約1万人の従業員)の影響が大きかったという。
欧州では、アイルランドが数値上、最も深刻な影響を受けた国となった。アイルランドにグローバル本社を置くアクセンチュアが、AI戦略に関連した再構築の一環として1万1000人の削減を明らかにしたことによるもの。スペインでは、テレフォニカが欧州事業全体で7000人の雇用を削減すると発表した。
RationalFXは、2025年に見られたレイオフの特徴として、財務実績と雇用の安定性との間の乖離(かいり)が拡大した点を挙げている。Microsoftは2026年度第1四半期に売上高777億ドル(前年同期比18%増)、純利益277億ドル(同12%増)となった一方、2025年中にXbox部門や上級管理職を含む1万9000人以上の雇用を削減した。
Metaも2025年度第3四半期に売上高512億4000万ドル(前年同期比26%増)を計上したが、AIインフラの急速な拡大により総コストは32%急増した。同社はAIに多額の投資を進める一方で、2025年以降少なくとも4320人を削減したという。
企業はレイオフの主な要因として「AI」や「自動化」を挙げている。Amazon.comは「AIへさらに注力するとともに、1万4000人の人員を削減して企業構造をよりスリムにする」とした他、Salesforceも「AIエージェントを活用することで、カスタマーサポートの人員を9000人から約5000人に削減できた」と発表している。
IBMはHR部門などの非技術職を中心に約9000人のレイオフを行い、日常的な業務を自動化した。英国の通信大手BTは、2030年までに従業員および契約社員(請負業者)を含む5万5000人の雇用を削減するとし、そのうち約1万人の役割がAIにより代替される予定だという。
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