ひろゆきの予測「SIerは衰退する」 AIが変えるエンジニア採用ひろゆきだけど何か質問ある? 2025年秋(1/2 ページ)

「技育祭2025【秋】」にひろゆき氏が登壇。学生からの「AIに職を奪われるか」「SIerはオワコンか」といった質問に、現役エンジニアの視点で回答した。「コーディングはAIができる」「大企業を目指せ」など、生成AI変革期におけるキャリア形成について語られた、忖度(そんたく)なしのリアルな助言をレポートする。

» 2026年01月13日 05時00分 公開
[吉村哲樹@IT]

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 2025年10月11日、12日の2日間にわたって開催された、学生向けのテックカンファレンス「技育祭(GEEK SAI)2025 【秋】」。さまざまな企業、組織のキーマンやトップエンジニアが登壇し、ITエンジニアを志す学生に向けて業界を目指す上で役立つさまざまな情報を発信した。

 その中でも特に活況を呈していたのが、元2ちゃんねる管理人のひろゆき氏によるセッション「ひろゆきだけど何か質問ある?」だった。

 さまざまなメディアで歯に衣(きぬ)着せぬ論評を展開し、現在ではインフルエンサーとして若者から絶大な支持を集める同氏だが、もともとはインターネット掲示板サービス「2ちゃんねる」を独力で立ち上げて運用してきた生粋のITエンジニアであり、今でも自身の仕事を効率化するためのツールを、最新のコード生成AI(人工知能)を活用しながら開発する現役エンジニアでもある。

 そんな同氏に学生たちが直接質問をぶつけることができる大変貴重な場となった本セッション。特に近年、システム開発の現場へ生成AIが急速に浸透している状況を受け、「将来の職がAIに奪われてしまうのではないか?」と不安に思う学生たちからAIに関連する質問が相次いだ。

 本稿ではこれらの質問の中から、主だったものを幾つかピックアップして紹介してみたい。

ひろゆき氏

生成AI時代にエンジニアを志す学生に求められる能力とは?

 AIの進化により開発のハードルが劇的に下がった一方で、「基礎力が身に付かないのではないか」「特定の職種が消滅するのではないか」という不安もまた、学生たちの間で広がっている。

 AIを前提とした時代に、エンジニアとして生きのこるために必要な「人間の価値」とは何か。まずは個人のスキルやスタンスに関する質疑応答を見ていこう。

「自分でやるべきこと」と「AIに頼ること」の線引きは?

gakusei 学生

AIの発展でサービス作りのハードルが劇的に下がった一方、コンピュータサイエンスや課題発見の基本的な知識や能力が身に付かないのではないかという危機感も抱いています。

自分でやるべきこととAIに頼ることの線引きについて、ひろゆきさんはどのようにお考えですか?


hiroyuki ひろゆき氏

これまで20代、30代の若手エンジニアが行っていたコーディング作業は、もうAIがかなりできるようになってきています。

ただしAIは、実際のシステム開発プロジェクトで直面するさまざまな制約条件、例えば予算やスケジュール、リソースなどの要件を加味しながらシステムの全体仕様にまで落とし込めるだけの能力は、まだ獲得できていません。

この領域はやはり、これまでハードウェアからOS、ミドルウェアなどさまざまな領域の経験を一通り積んできた40代、50代のベテランエンジニアが強いですね。

例えば性能課題を解決する手段をAIに尋ねると、得てして「高性能サーバを10台並べる」といったように予算を度外視した解決策を提案してくるのですが、実際のシステム開発は予算の制約との戦いですから、この点においてはやはりまだまだ人間のベテランエンジニアの方が頼りになりますね。

予算やコストの要件というのは会社ごとにまちまちですから、やはり人間の方が個別の事情を勘案して柔軟に対応できる思います。

逆に言うと、若い人たちは早いうちから、予算の制約の中でコストを抑えながらシステムを開発する経験を積んでおいた方がいいと思います。

コストと要件を両立させるシステム構成やアーキテクチャを考えるためには、ハードウェアやミドルウェアも含む幅広い知識が必要になりますから、例えば若いうちに一からサーバを立ち上げたり、あえてAIを使わずに一からプログラムを組んでみるといった経験を積んでおくのも有効だと思います。


サーバエンジニアは、この先生きのこれるの?

gakusei 学生

現在サーバエンジニアを目指して勉強しているのですが、クラウドやAIによる自動化が進む中で、将来的にこの職種がなくなってしまうのではないかと少し不安です。

この先、サーバエンジニアという職種はどうなっていくと思いますか?


hiroyuki ひろゆき氏

確かにサーバの選定や契約方法などについてAIに尋ねると、かなりきちんと答えてくれます。ただし、予期せぬトラブルに見舞われた際の解決策を尋ねても、必ずしも的確な答えを返してくれるとは限りません。

AIは簡単に言えば、ネット上にある情報を拾ってきて、その内容を基に最適解を統計的に出すという仕組みですから、裏を返せばネット上に情報がない問題に遭遇してしまった場合は、現時点ではあまり頼りになりません。

でもサーバエンジニアとしてサーバの基本的な仕組みや動作原理が分かっていれば、たとえ参考にできる外部情報がなくても、自分の知識と経験を基に解決策を手繰り寄せることができます。なので、まだまだ人間のサーバエンジニアが活躍する余地はあると思います。


生成AIの普及で企業のエンジニア採用はどう変わる?

 生成AIの普及はエンジニア個人の働き方だけでなく、エンジニアを雇用する企業の採用戦略にも大きな影響を与えつつある。本セッションではこの点についても、学生たちから鋭い質問がひろゆき氏に寄せられた。

SIerはオワコン?

gakusei 学生

今後はAIの普及によってプロジェクトに必要なエンジニアが減って、システム開発を外注することなく、自社でエンジニアを抱える企業が増えるような気がしています。その結果、SIer(システムインテグレーター)は衰退していくのではないかと思うのですが、ひろゆきさんはどのようにお考えですか?


hiroyuki ひろゆき氏

僕も実は同じような未来を予想しています。

システム開発を発注する企業の側からすると、これまでのように大手SIerから20人のチームを派遣してもらうより、めちゃくちゃ優秀なエンジニア1人がAIを使いこなして20人分の開発を一手に行う方が、明らかにコストは安く上がりますし、ユーザーの要望にもより柔軟に対応できます。

なので個人的には、一部のセキュリティやコンプライアンスの要件が厳しい領域を除いては、SIerは衰退していくのではないかと考えています。


内製化が進む?

gakusei 学生

事業会社の従業員としてシステム開発に従事する内製エンジニアは、今後増えていくとお考えですか?


hiroyuki ひろゆき氏

SIerの仕事が減る分、事業会社が優秀なエンジニアを雇って、AIを使いこなしながらシステムを内製開発していく形が増えていくと思います。

現時点で内製開発を行っているのは大手企業が中心ですが、今後は中堅企業でも内製開発エンジニアの採用枠は増えていくような気がします。もしくは外部の優秀なフリーランスと契約して、顧問エンジニアのような形で自社のシステムを任せる企業も増えてくるのではないでしょうか。


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