Windows 11が重い・つながらない……。できる情シスが真っ先に使う管理コマンド5選Tech TIPS

「PCが不安定だ」「ネットワークにつながらない」……現場のトラブル対応に追われる管理者の強い味方は、GUIよりも実はコマンドラインだ。再起動の手間を省く設定変更から、フリーズの原因特定、破損したシステムファイルの自動修復まで。Windows 11の運用を劇的に効率化する、5つの必須コマンドを解説する。

» 2026年02月09日 05時00分 公開
[小林章彦デジタルアドバンテージ]

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対象:Windows 11


Windows 11でできる人が真っ先に打ち込む管理コマンド5選 Windows 11でできる人が真っ先に打ち込む管理コマンド5選
「PCが不安定だ」「ネットワークにつながらない」……現場のトラブル対応に追われる管理者の強い味方は、GUIよりも実はコマンドラインだ。再起動の手間を省く設定変更から、フリーズの原因特定、破損したシステムファイルの自動修復まで。Windows 11の運用を劇的に効率化する、5つの必須コマンドを解説する。

 Windowsのシステム管理において、マウスを用いたGUI(グラフィカルユーザーインタフェース)操作は直感的で便利だが、トラブルシューティングの際に素早く原因に迫るにはコマンドラインの活用が欠かせない。情報の網羅性と操作の迅速さにおいて、CUI(コマンドラインインタフェース)はGUIを圧倒することが多いためだ。本Tech TIPSでは、現場で直面する問題を解決するために不可欠な5つのコマンドを、具体的な活用シーンとともに解説する。

ネットワークの健康診断「ipconfig」

 ネットワーク接続の不具合は、システム管理者が最も頻繁に対処に迫られる課題の1つだろう。「インターネットにつながらない」という訴えを受けた際、まず試すべきなのが「ipconfig」コマンドだ。このコマンドを実行すれば、PCに割り当てられたIPアドレスやデフォルトゲートウェイの情報が得られる。

 例えば、IPアドレスが「169.254.x.x」となっていれば、DHCPサーバからのIPアドレス取得に失敗していることが一目で分かる。このような場合、「ipconfig /release」で現在の設定を一度解放し、続けて「ipconfig /renew」を実行すれば、PCを再起動させることなくIPアドレスの再取得を試みることができる(Tech TIPS「Windowsでは、DHCPによるIPアドレスの切り替え時に、いったん解放してから再割り当てする」参照のこと)。これは、現場でのダウンタイムを最小限に抑えられる。

 また、「ipconfig /all」コマンドを用いることで、搭載されているネットワークインタフェースの設定が表示される。これを見ることで、ネットワークインタフェースで生じているトラブル(デフォルトゲートウェイやDNS参照先が間違っているなど)が把握できる。

「ipconfig」コマンドでネットワークの状態を確認 「ipconfig」コマンドでネットワークの状態を確認
「ipconfig /all」コマンドを用いることで、搭載されているネットワークインタフェースの設定が全て表示される。これを見ることで、ネットワークインタフェースで生じているトラブルなどが把握可能だ。「IPv4アドレス」欄を確認することで、IPアドレスが正しく割り当てられていないことなどが把握できる。

 Windows 11では、DHCPサーバからIPアドレスが正しく取得できないような場合に利用されることが多い。一方、Windows ServerではDNSキャッシュの削除やホスト名の再登録などにも用いられる。

 なおipconfigの書式など詳細は、Microsoft Learn「ipconfig」を参照してほしい。

Windows 11を修復する「sfc /scannow」

 Windowsの動作が不安定になったり、特定のシステム機能がエラーを出したりする場合、システムファイルの破損が疑われる。その際に役立つのが「sfc /scannow」コマンドだ。このコマンドは、Windows 11の重要な構成ファイルをスキャンし、不整合や破損が見つかれば、あらかじめ保存されている正常なバックアップから自動的に復元を試みる。

 アプリケーションのインストール失敗や予期せぬシャットダウンの後にWindows 11の挙動がおかしくなった場合、このコマンドを管理者権限で実行するだけで、Windows 11の再インストールという手間を回避できる可能性がある。

「sfc /scannow」コマンドでシステムを修復 「sfc /scannow」コマンドでシステムを修復
システムファイルが破損していてWindows 11の調子が悪いような場合、再インストールしなくても、「sfc /scannow」コマンドを実行することで修復できる可能性がある。

 「sfc /scannow」コマンドの詳細については、Tech TIPS「WindowsのSFCコマンドでシステムファイルの不整合や破損を修復する」を参照してほしい。

 なお、「sfc /scannow」コマンドでも修復できない場合は、「dism /Online /Cleanup-image /Restorehealth」を実行してから、再度sfcコマンドを試してみよう。このdismのコマンドラインは、sfcコマンドが参照するバックアップ(エラー修復に必要なファイル)を修復してくれる。

PCの素性を暴く「systeminfo」

 管理対象のPCがどのような構成で、いつから稼働しているのかを正確に把握することはメンテナンスの際の重要なポイントとなる。「systeminfo」コマンドを使えば、Windows 11の正確なバージョンやビルド番号、搭載メモリ量、BIOSのバージョンといった詳細なスペックが一覧で表示される。

 こうした情報は「設定」アプリの[システム]−[バージョン情報]を選択しても把握可能だが、「設定」アプリでは表示された情報をワンクリックでコピーしにくいという問題がある。「systeminfo」コマンドは簡単にテキストファイルに出力できるので、資産管理の際の情報としても活用可能だ。

 特に重宝するのが「システム起動時間」の項目だ。ユーザーが「PCが重いので再起動した」と言い張っていても、この項目を見れば実際の稼働時間が数週間に及んでいることが分かる場合がある。また、直近4つもしくは5つの累積的な更新プログラムに限定されるが、適用済みの更新プログラムもリストアップされるため、適切に適用されているかどうかを確認する際にも、わざわざ「設定」アプリの「Windows Update」画面を探る必要がなくなる。

「systeminfo」コマンドでシステム情報を取得する 「systeminfo」コマンドでシステム情報を取得する
「systeminfo」コマンドを使うことで資産管理に利用できるPCのモデルなどの情報が得られる。また、「システム起動時間」を確認することで、いつから使い続けているのかといった状況の把握が可能だ。直近5つ(状況によっては4つ)の更新プログラムの適用状況も確認できるが、KB(Knowledge Base)番号しか表示されないので、より詳しく把握したい場合はPowerShellの「Get-HotFix」コマンドレットを使うとよい。

 「systeminfo」コマンドのさらなる便利な使い方については、Tech TIPS「Windowsのsysteminfoコマンドでシステムの情報を収集する」を参照してほしい。

実行中のプロセスを把握できる「tasklist」

 リソース不足でWindows 11の性能が著しく低下している場合、どのプログラムがリソースを大量に消費しているのかを特定する必要がある。

 そのような場合に役立つのが「tasklist」コマンドだ。「tasklist」コマンドを実行すると、現在実行中の全てのプロセスと、それぞれが使用しているメモリ量を表示してくれる。PCが重くて、タスクマネージャーさえも開けないような状態でも、コマンドプロンプトが生きていればこのコマンドで状況の把握が可能だ。

 例えば、特定のアプリケーションがバックグラウンドで複数増殖し、メモリを圧迫しているケースだ。tasklistコマンドで得られた「プロセスID(PID)」を使い、以下のコマンドを実行すれば、GUIで終了できないフリーズ状態のプロセス(ソフトウェア)も強制的に終了させることができる。プロセスの「監視」と「排除」をコマンドで完結させる流れは、熟練の管理者が持つべき必須スキルといえる。

taskkill /pid <PID番号> /f


<PID番号>のプロセスを強制終了するコマンド

「応答なし」プロセスを強制終了する(1) 「応答なし」プロセスを強制終了する(1)
「応答なし」となったプロセス(アプリケーション)を強制終了する。画面のアプリケーションは、「応答なし」や「クラッシュ」などの状況を再現するNTWINDの「Bad Application 」。
「応答なし」プロセスを強制終了する(2) 「応答なし」プロセスを強制終了する(2)
「tasklist」コマンドを実行して、実行中のプロセスを表示する。
「応答なし」プロセスを強制終了する(3) 「応答なし」プロセスを強制終了する(3)
強制終了したいプロセスのPIDを確認して、「taskkill」コマンドで強制終了する。

通信の裏側を監視する「netstat」

 TCP/IP関連のトラブルシューティングの際に必ずといってよいほど使うのが「netstat」コマンドだ。ネットワークトラブルの切り分けやセキュリティ調査において、このコマンドは極めて重要な役割を果たす。例えば、「-ano」オプションを付けて実行すれば、現在確立されている全てのネットワーク接続と、それを利用しているプロセスID(PID)を表示できる。

 「社内の特定のサーバに接続できない」という問題が発生した際、Windows 11側がサーバの正しいIPアドレス/ポートに接続しようとしているかどうかを確認できる。また、不要な外部IPアドレスに対して不審な通信をしていないかどうかも確認できる。ポートの競合調査にも有用であり、特定のポートが既に別のソフトウェアに占有されているせいで業務アプリが起動しないといったトラブルも、このコマンドで特定できるのだ。

「netstat」コマンドでTCP接続の状況を把握する 「netstat」コマンドでTCP接続の状況を把握する
「netstat -ano」コマンドを実行すれば、現在確立されている全てのネットワーク接続と、それを利用しているプロセスID(PID)を表示できる。

 「netstat」コマンドには多くのオプションがあり、さまざまなTCP接続の情報を取得可能だ。詳細な使い方については、Tech TIPS「TCP/IP通信の状態を調べる「netstat」コマンドを使いこなす【Windows OS】」で詳しく解説している。また、オプションなどについては、Microsoft Learn「netstat」を参照してほしい。

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